新宿雑記。

先日、初めて新宿バスタからバスに乗って羽田に行った。

バスタの横にある「ニューマン」と言うルミネ系列(?)の店を見て、

地方の若者がみやげ物を買うところやね、の感想、

おばはんにぐっと来るものはなかった。

高島屋に続く道にある虎屋カフェのあんこぐらいしか、

おばはんをひきつけるものはもうないのよ。

ポールボキューズでジョエルロブションで、実はドンクのパンである店も

もうええかな、と言う感じ、私の育ちすぎた体は半分くらいドンクで出来ている気が。

それはともかく、新宿のルミネ、ミロードあたりを通ると必ず思い出すのが

雨宮まみさんの「東京を生きる」で、このあたりが雨宮さんは嫌いだったのは

何故か、いつも考える。

たぶん、大変「どん臭い」場所だからなんだろうが、それ以上に

田舎モノ向けにぼったくり商品を並べ立てている、そのあざとさ、

私は都会人のいやらしさが最も染み出ている部分だと、

次々変わる、まるで夜店のようにはかなくきらびやかな小さな店を見て感じるが、

これが雨宮さんには地方の人間が見下されているようで、耐え難かったのか、

単にごちゃついているのがいやだったのか、今となってはわからない。

私は感度が低いので、「みやげ物を買うのによく出来ているな」としか思わないし。

しかし、最後に行ったのがいつだったか忘れた「新宿伊勢丹」が

このミロードあたりのごちゃごちゃ感にあふれて、

以前はもう少し「期間限定!」とあおるのが上手だったような気がするが

今はただ散漫なだけだと、がっかりしたのを覚えている。

最後に行ったのは娘とでたぶん土曜か日曜日、

華やかな売り場から薄暗い階段へ行列が出来ていて、

「何でこんなところでならんでるの!」と娘に聞くと、

「ここはそういうところなんじゃないかな、

伊勢丹限定!」のコスメを買いに来てる人だと思う」と、

私は限定品を長蛇の列で買う人の気持ちが理解できないし

それを小洒落たデパートで衆人環視の元で手に入れるとは、

ブランド品って、並んで買うものじゃないでしょ、はもう古いのか?

小田急、ミロードがどれほどどん臭かろうが、ちっとも気にならないが、

新宿伊勢丹が「期間限定」としつつ、

わけのわからない集団ももぐりこんでいる臭を感じて、

そこに独特のどん臭さがまとわりついて、嫌な感じを覚えたのでした。

さて、いつから行ってないかね、新宿伊勢丹

娘たちも私同様、ならんでまでモノをほしがる体質ではないので、

この手の「期間限定!」とかの「イベント」に縁がない。

あの奇妙な盛り上がりの浅はかな気配が雨宮さんは嫌いだったか、

それなら少しわかるかも、と空港行きのバスの中で考えたのでした。

小田急がどん臭くても気にならんが、伊勢丹がどん臭いとなんとなく辛い。

やはり私は田舎モノであるなあ、と思うのであった。新宿雑記、続く。(たぶん)