読書メモ・「とりあたまJAPAN・日はまた昇る!編」

これは前の巻があるそうなんだけど、未読。
おなじみ西原理恵子さんとあの佐藤優氏がコンビになったエッセイ(?)集。こんなあくの強い二人を組み合わせるとは、新潮社、侮りがたし!
でも内容は、それほどでもなく、相変わらずの西原ワールドと、ストライクゾーンが意外に広いのね、な佐藤優氏。
佐藤優氏といえば、ホラー漫画作家伊藤潤二の「憂国のラスプーチン」に原作を提供していて、何故か不思議だったものの、
このエッセイで伊藤マンガのファンであることを知った。
憂国のラスプーチン」はいつ、主人公の「敵」がにゅーっと首が伸びて顔をなめ出すか、考えられないホラーワールドが広がるか、
毎回ドキドキしているものの、まだそういう超異常現象は起こっていない、残念。
西原さんの漫画「だけ」をめあてに買ってきてもらったので、佐藤氏のエッセイは、こんな話題をどう捕らえるのか不思議だった場合だけ読んでいる。
「女子会」など、西原さんはともかく佐藤優氏とは縁もゆかりもない世界だろうにと思って読んでみると、これがなかなか。
佐藤氏曰く、「女子会は男の世界で言う無礼講に似ている」そうで、
「「女性同士の方が本音の話や秘密を打ち明けることが出来る」という説明を額面とおりには受け取っていない」と、
「本音や秘密について話す相手は性別に関係なく、信頼できる人だからだ。」
「「今日は無礼講だから裃を脱いで気楽にやろう」という人間に限って心の武装解除をしない。
酒の勢いで本音を聞き出し、その情報をひそかに自分のために生かそうとする。
女子会でも無邪気に会を楽しむ女性と無邪気なフリをして腹黒い計算をしている女性がいるのだと思う」などと、うがった意見を。
佐藤氏、意外に甘し!私はそうやって、うまく立ち回ろうとする女をいち早く見つけ出し、排除に動くための会と、女子会を認定していたりするわ、
誰が自分の敵か、ある程度のエサをまいてはっきり確認するのに、この手の場は都合がいいだろうと、
うまく立ち回ろうと必死になる輩ッてのは、だれも言わないけど、うすうす感じていたりするんで、上手にやったつもりでも回り回ればどうなってるか、
ある程度の年齢になれば答えは見えたりするのよね。
そういう答えが見えたもん同士の女子会はたいそう、愉快、けだもの同士は傷つくことがないのよ。
西原さんは穏当に「大手ふってママ飲みできる会のこと」とさらりとながしている。
なかなか面白かったので、前巻も読んでみるつもり。ひとつのお題で二つの意見、おいしい本でした。