むかしばなし。

タイトルが香ばしい「少子化・結婚」の記事を読んで思い出したのは、20年前、私が20代だったころ、
「結婚退職」が女の子にとって、いわば今で言う「ブラック企業」からの撤退を意味していたことで、
当時景気もよく、ソフト開発分野が大流行であった時期、
たとえ「総合職」で採用されていなくても、「フツー」に女の子が午前すぎまで働かされていたこともあって、
「このままじゃ死ぬ!」と結婚することで、命をつなぐ女の子達もいたりして、仕事のあまりのハードさに生理が止まった子もいたなあ。
景気はよくてもまだ「ブラック企業」なんて概念はなくて、死屍累々、
「このままじゃ、○○ちゃんが死んでしまう!」と自分の彼女をこの苦境から救おうと結婚するけなげな男子がいたものよ。
「あと半年、我慢したら辞められる!」ととりあえず結婚が決まっても、「夢」を持つヒマがあったかどうか、いや「夢」はそれなりにあるんだけど、
あまりにも忙しすぎる職場にいると、「現実」だけしか目に見えない。
ソフト開発にまわされていたら、「子供が作れない」状態だったものね、、
私はまだ時間的には恵まれた職場にいたけれど、それでも、当時大流行だった「東京ラブストーリー」なんか見たことがなかったわ、
その放映時間は帰宅する途中だったもの。
「バブル世代は贅沢世代」の勘違いが時々あって、確かに働いたぶんだけ、お給料はそれなりにもらえたけれど、
体をこわすほど働く人は特に女の子には多かった。
「イマドキの女の子の専業主婦志向は理解しがたい!」のお言葉は定期的にもっともらしい言説として通用していて、
若い女の子はまったくけしからん!」と語られるものの、「産む性」である女の子達のその「若さ」は2重にも3重にも搾取されていて
「若いんだから安く働け」「男女平等なんだから男と同じくらい働け」、「働きながら結婚して子供も産め」、「文句は言うな」
これって、本当に「男女平等」?とわたしはいつも考えてしまう。忙しすぎて生理が止まるようじゃ、「出産」なんて「論外」だろう、
その現実に20年たっても世間は目をつぶっていて、今回のタイトルは「あれ」だが内容はかなり納得できる(それでももっと踏み込んで欲しいものだが)
少子化対策は「産休」「育休」だけじゃダメだ、を指摘したのは素晴らしいと思った。
これから若い世代の数自体が減っているので、より結婚数は減るだろうな。
とはいうものの、わたしの子ども世代を見ていると、結構「結婚」「出産」に前向きなので、
ある程度まで下がっても、その後少子化は止まるんじゃないかな、と希望的観測をしている。
それにしても、昔は男の子が将来にさほどの不安を抱いていなかったから「結婚して彼女を救おう!」も出来たけれど、
今はなかなかそうもいかない、途方に暮れる若い世代をどれくらい支援できるか、親世代のあり方も問われるんだろう。
とりあえず「イマドキの若いもんはけしからん!」だけは言わないようにするつもりだ。
そういうことを私は若いころ、いやというほど聞かされたしね、自分では絶対言いたくないわ。