「教育、とわぁ〜」

橋下氏が当選して、それにかんする記事をあれこれ読んで、「識者」がいちばん懸念されているのが「教育問題」、
でも、これって、この10年ほど、地元公立校で格闘してきた私のような人間に言わせれば「何言ってくれちゃってんの?」で、
今の教育現場の荒廃って、結局、自分の子どもを公立で育てる人間が必要な教育を考えなかった、
つまり、公立教育にもっともらしく口を出して「仕組み作り」をした人間たちの子どもは、本当に地元の公立なんかに関わってないんだよ、
そもそも子どものいない人が「教育とわぁ〜」とhatenaでも語ってくれちゃってるわけで、
あるいは「うちは中学受験させる」みたいな、
中学、高校と行かせてみなければ、見えないものがたくさんあるんですよ。
教育現場っていわば「戦場」で、「戦場」の最前線で弾が当たる恐れのない人たちが「参謀」やってる、
そりゃー、「戦争」に負けるはずだわ、って、前線に生きている人間は「生き残る」ことだけを考えるのでどんな無茶だってやる、
それが結果を生み出していくわけで、そこに「きれいな」理屈もへったくれもないわけで、
「勝ち残る」事がどれほど絶望的なことであったとしても、それでもやらなきゃいけない、のが
この10年ほどの「ゆとり」という原爆落とされた「戦場」にいた人間の感想ですわ。
あのさ、橋下の教育理念がどうとか、で懸念している人、自分の子ども、公立で育てる「勇気」ありますか?
なんだ、かんだでお茶を濁してイザ、子どもが出来れば「うちはいろいろと事情が違う」で、中学受験、させるでしょ、
苅谷剛彦なんかもそうなんだよね。
公立教育の問題点なんてのは自分の子どもを実際に学校に通わせていないと本質的なものは見えてこない、
その視点だけは抜かしてものを書いてる、ま、飯の種なんで、それが出来ないってのはよくわかるんだが。
それに私は中学受験を悪いものだとは思ってないんだけど、でも、それを自分の子どもにさせる人はもう公立教育にイチャモンつけちゃダメだって事、
それくらいの「常識」は持ってほしいもんだ。
アノね、橋下のすることを誰も「いい」だなんて、本当のところは思ってないんだよ、
ネットでは一部の頭のおかしい連中が熱狂的に支持しているのを特に取り上げる人が多いけど、そんなのはそれほど問題にするようなもんじゃない。
でも、今までとても頭のいい、学歴の高い、ついでに言えば階層も高い人たちが作り上げてきた「教育理念」でこの10年、何がおこったか、
それを目の当たりにすると、いっそ、バカにやらしても結局は「一緒」じゃないのか、って、
つまり「橋下に期待する!」と言うよりは、今までのご立派な「識者」たちの「教育理念」に深く絶望したって事なんだよね。
教育問題って切実で、でも実は切実に考えていない人がいちばん口を出しやすい世界でもあるのだよね、
弾の当たらないところではどんな「理想論」でも口に出来る。
自分たちの子どもをある程度の「避難」が出来る一貫校に通わせることを私は否定しない、でも、私はそれをしなかった。
そのことに対する後悔や、痛みは今でもある。たとえ、それが子ども本人が望んだことであったとしても。
それが「子育て」と言うものなんだわ。
これ以上、教育が悪くなるって事、ありうるかな?みたいなところで、10年、やってきて出した答えは、子どものいない人たちが考える「懸念」とは違う。
「教育とわぁ〜」は、自分の子どもを育てるようになってから、言ってくれ。
公立校で最後まで子育てをする人だけが言ってくれ、それだけ。