お受験反省記。(その1)

受験記と言っても、うかったんだから文句はあるめえ、なんだけど、親として反省しているところが多々ありまして。
初めての子供の本格的な受験だったので、必要以上に神経質だったのは仕方がないのだけれど
子供に「勉強」をさせる立場として、今までのあり方でよかったのか、自分のやり方の欠点がはっきりとわかった点をいくつか。
まず、うちの場合は通信教育をメインにして、塾通いをしていなかったこと、
何故塾に通わせなかったかというと、住んでいる近辺の塾は部活のある公立中学生の通う時間帯を7時以降としているので、
部活のない子供が学校から3時過ぎに帰っても塾に行くのは7時過ぎ、それまで手持ちぶさたになる。
4時から7時までの時間帯、塾は近所の中高一貫の私立校に通う子供のためのコースを展開している。
我が子が部活を夏で引退した後、塾選びが難しかったのはこの理由、部活がなくなっても通う時間帯は変わらない、
必然的に子供はぶらぶら遊び始めるので、時間の融通がきくのと家から最も近い、と言う点だけで今の塾に入った。
上の子は確かに出来がいいのか、部活をしていてもほとんどずっと成績はトップで
塾通いは必要なかったかもしれないが、公立中学では驚くほど「受験」の情報がない。
担任の先生にもよるが、今年、娘のあたった先生は本当に何もしゃべらない人で元々高校から出向(?)していて
5年間だけ中学の先生をする、の研修制度で中学に在籍している。
下手なことは何も言わない、をきっちりお守りになられている先生の徹底ぶりには頭が下がった。
故に学校で一番であっても県下で何番かは全くわからない。これがわかるかと思って塾に行かせたが見込みが甘かった。
また、「油断」の元にもなった。そのことは別に書く。
塾で全県一斉のテストというのを合計3回して、その結果は5教科で平均して700人中10番前後、
志望校の合格確率は98パーセント、と出たのはいいが、
これは、とある組合に加盟している塾連合「だけ」がやるもので、
最難関校を受ける子供が多く通う駅前の有名塾の子供達は受けていない。
私が初めて知って驚いたのは、全ての塾の子供達が受けるテストというのは「中学」では全くない。
そして大手の有名塾は自分たち独自のテストを展開し、部外者は受けられるようで実は受けさせない。(地域性もあるが)
私はこの手の公開模試に何度か申し込みをしようと電話をかけたが「後で連絡する」で、なしのつぶて、
外部からきた人間の方が出来がよかった場合(そんなことはないはずだが)困るんだろう、
あくまで「外へも開いています」のパフォーマンスとしてしか広告はうたないようだ。
とにかく「700人」の中には商業科、工業科など受ける学科の違う子供達も含まれるので
いくら合格率「98%」でもなんの意味もない。本来の競争相手が元々参加していないんだから。
県内「700人」中10番前後ではなにもわからない。
これでは地元「公立」中学に通わせるとは、まともに大学に行くための高校に進学することさえ怪しいと言えることにもなる。
一方、Z会でも全国統一模試、と言うのはある、ところがこれも中高一貫校の子供とは別だし、
Z会指定の超難関校受験の子供達とも差をつけているので、全体でのはっきりとした結果はわからないようになっている。
Z会の評価はつまり「そこまでの課程」を「理解できている」「出来ていない」の目安で
これが実際の「受験」にどの程度役に立つのか私にはよくわからない。
結局、私にわかったのは現実の「受験」の仕組みは「詰め込み教育」時代と変わっていないのに、
中学のあり方だけが「理想」の形をとっていると言うことだけだ。
何を一体、公教育は子供に求めているのか。その理念と現実が、全く一致していない。
どのような子供達が同じ学科を受けるのか、その子供達の成績がどの程度なのか、
その中で自分の子供はどのレベルにあるのか、ほとんど親に何もわからないまま、受験をすることになってしまった。
ある種の「尺度」を必ず子供に押し当てられるのに、その「物差し」がどのようなものか知らされないままであるのにはまだ納得できない。
この現実に早く気がつかなかったことがまず第1の反省点。
(続く)