現在小６の下の娘の担任、別名「ウヨク」先生は源義経、織田信長以外に源頼朝もお好きで、
源頼朝が何故幕府を開けたか、「冷静な人だったから」（ほんまか？）とあれこれお話しして教えてくれる。
ついでにひいきの源義経も「実はとても不細工だった」とか「モンゴルに行ってジンギスカン（？）になった」とか
そこから派生してモンゴルは昔から日本ととても近い国だと、
だから日本の国技である相撲力士はモンゴル人がいても不思議ではない、などと、
まあ、聖徳太子がユダヤ人だったかも、説も教えてくださるんだからきっと人種差別はないのよね、と
私は自分を納得させている。
歴史上の人物を取り上げて自分の考えを語るのは子どもにとって面白いようで、
特に「三国無双（だったか？）」とかゲームで、織田信長や三国志の人物に夢中の男の子達は
一生懸命、考えて発言するらしい。また、業者のテストも最近は「新傾向」として（多分）
「次の３人の中から１人選びそれぞれがしたことについて質問したいことを手紙に書いてみましょう」
と、徳川家康、織田信長、豊臣秀吉の写真をならべ、その下に大きく解答欄がとってある。（配点は４点）
我が子は織田信長を選び「どうしてそんなに気が荒い人だったのにキリスト教を保護したのですか？
私が織田信長さんだったら、お坊さん達にそうしたようにキリスト教の人も殺してしまったかも、と思います」
と書いていた。
歴史上の人物を考えるのは非常にいい試みだと思うのだけれど、それって、歴史「学」としてどうなんだろう。
織田信長の気が荒い、とは誰の「主観」であったのか、そのことは「歴史」を学ぶことに必要なのか、
似ている（？）と思われる人物を取り上げて考えるのは「比較文学」の領域に入るんじゃないか、
また比較対象となるそれぞれの「人物像」は確かなのかどうか、
そこら辺まで踏み込んでみることは多分小学校のレベルでは無理なので「歴史」を「学ぶ」という点において
正しいやり方であるかどうか、不安に思ったりする。
子ども達は楽しんでいるようなので、それでもいいのかな？と思ったり。
こうしたこころみで、比較の「手法」だけを「抽出」し、これを応用して社会生活に役立ててくれたら
子ども達にとっては有益だ。ただ、子供もそれぞれなので漠然と「織田信長は気が荒かった」とか
「徳川家康は気が長かった」とかそういうことだけ、残ってしまったら、どうなんだろう、
それでも何かは学んだことになるのかな。
ウヨク先生は先生個人の望む答えを出来れば子供が引き出せるようにされていることで、
私はそこがいやだったりする。
織田信長も源義経も戦争の奇才であったと、二人とも進取の精神に富んでいた、と
それはそれで正しいことであるんだろうが、そこを「魅力」として大きく取り上げられては
「歴史」が「文学」になってしまうような、最近は「ジャンルを外した学び」がいいらしいんだけど、私はどうもね。
下の子に織田信長と源義経を比べてどう思ったかを聞くと「二人ともたくさん殺したから最後は殺された」と
シンプルな定義が返ってきて、それは東条英機やヒトラーにも当てはまるわな、と
うーん、こんなんでいいのかな、これで「歴史」を学んだことになるのかな。
学ぶべきなのはいったい何なんだろう。
今回の沖縄の集団自決で日本軍の「強制」と言う記述が削除されたことから学ぶのは
国家の都合で「歴史」が変えられるおそろしさであるけれど、「事実」をどのようにして認識するべきなのか、
本来歴史の「事実」とはどうとらえるべきなのか、どうもいい年になってもすっきりわからない。
強制の「事実」があった、という何ら「文書」上の証拠は残っていない、とされることが
「歴史」の「科学的」とらえ方なのか、生き残った人間の証言はなんの価値もないのか、
「証拠」とはなんなのか、「歴史を学ぶ」って本当に難しい。
沖縄の集団自決について、自決を促した軍の人間の中にも、米軍の非道を本気で信じていて
自分たちが捕虜をそう扱うように住民の人たちも虐待の限りを尽くされるのだと、
そうされるにしのびない、と考えたかもしれなくて、なぶり殺しになるくらいならいっそあっさり死なせた方が、、
と、ともに追い詰められたものの狂気でそうなってしまったのではないかと、私は日本軍兵士に哀れみも感じている。
当時の教育はそういうものだったから、死ぬ以外の選択肢はなかったのだ。
日本軍の人間達も自決された多くの人たちも教育の犠牲者だった、
そこまで、今の教育は踏み込んで考えさせることはできるだろうか？
それは多くを望みすぎなのかなあ、、
「それはもう古い」と笑われても私は「戦争は悪いことです」とだけは子供に学んで欲しいと願っている。
ウヨク先生に期待は全くしてないけれど。
追記；そういや、ヒトラーは自決だったな、それから「三国無双」「戦国無双」とゲームは色々あるらしい。
うちは二人とも女の子なんでこっち方面はどうも、、
追記２；よく考えたら源義経も織田信長も最後は自決だ、親まで混乱してどうする！
