「地方」問題を考える。(その1)

先日提出した朝食アンケートの結果を昨日子供が持って帰ってきてなるほど、と思う。
まず朝食、夕食を作るのにどれくらい時間をかけるかの問いに
朝食は「15分未満」が56%、「15〜30分」が34%
夕食は「45〜60分」が39%、「30〜45分」が38%と、納得できる数字だ。
家庭の食事時間は決まっているか、も「だいたい決まっている」が朝、63%に
夜、81%、何ら問題はない。
私が注目したのは「調理済み食品やインスタントをどのくらいの頻度で使用しますか」で、
これは「1週間に1〜3日程度使用する」が48%、「月に2〜3日使用する」が33%で
1週間に1〜3日程度というのはそう多い方ではないと考える私がまちがっている
と言われればそうなのかもしれないが、共働きやパート主婦が週に利用する回数として
決して多いと思えない。
特に夕食を作るのにかける時間を考えれば1時間弱が70%以上なら
どの程度のインスタント食品を使っているかわかる気がする。
「もう1品、添えるのに」くらいではないか、明言は出来ないが。
それからインスタント食品や調理済み食品は「高い」!地方の一般家庭じゃその意識が強い。
今年中学の剣道部の会計をしていて最後の試合には出場選手にお弁当を用意する。
それほどでもない弁当だが生徒はみんな楽しみにしていて、何故かというと
普段は家からお弁当をどんなに朝早くても持ってくる子がほとんどだし、
とある子供は「コンビニのおにぎり1個100円なんて高っけぇ」と言う。
一応私が住むところは県庁所在地だが地方じゃその感覚で「ふつー」だ。
コンビニ弁当であっても「ごちそう」と子供は考えている。
昨日ようやくトラックバックをもらったMr_Rancelotは東大生が珍しいほどの
地方出身者であると今回初めて読んだいくつかのエントリの中で知った。
彼には申し訳ないが、1年前は彼が私の日記を過去にさかのぼってまで必死に
読むほどは読んでいないので、彼に配偶者がいたなんて実際知らなかった。
そして彼が私が何故今の配偶者と結婚したのか不思議がるように私も非常に不思議なので
彼が消した配偶者とのなれそめのエントリが残念だ。
彼は私が私の配偶者と何故結婚したのか「突き詰めて」尋ねたいにもかかわらず、
自分のは消したとは、何となく納得できないが、まあ「突き詰めて」聞かなくても
明日以降のエントリでご説明しよう。
彼は私の子供が気の毒だと書くのを全く失礼だと思っていないようなので、
私も彼の配偶者が気の毒だと書いても気にしないだろう。
私が彼に対してむっとしているのは結局、私と同じく「頭の悪い」人間から
「頭が悪い」と書かれたからであって、私が知性的だと考える人間が
同じことをしてもそれほど腹はたたないだろう。
もっとも「頭のいい人間」がいきなり他人を「頭が悪い」などと書くかどうか大いに疑問だが。
それはともかく、Mr_Rancelotは今はどうやら大都市圏にお住まいのようだ。
私は何故彼が地方に帰らなかったかを地方の抱える問題と絡めて書かせてもらおう。
私は当然独身税にも反対だ。なぜ独身でしかいられないか、
Mr_Rancelotはまるで収入が少ない男と女は結婚しないかのような言説を弄するが
私は地方と大都会の男女比を指摘しておきたい。
なぜ、Mr_Rancelotが介護や保育の協力を望める地方の実家に帰らなかったのか、
もし彼の好きな言い回しで「突き詰めて」問いただせばそれは実家のある地方に
優良な企業がなかったせいではないのか、自分が働くに値する企業があったかどうか、
東大出身者の家が受験の神様化するような地方出身者ならわからないはずはないと私は思う。
地方では「女」あまりで、都会の大学に行かせても地方の親は「女の子だから帰ってきなさい」と
あるいは「都会に出したのはいつか必ず帰ってきてもらうため」の考え方が強い。
そして高学歴の女性は数少ない地方の優良企業に集中するので、不幸にして彼女らほどの
学歴のない男性などは多数の企業が集中する大都市に留まらざるを得ない。
(Mr_Rancelotがその熾烈な競争に負けたかどうかは定かではないけれど。)
適齢期男女が「結婚できない」理由として私はこの大都市圏と地方との男女比が大きい
と考えている。
また地方ほど保守的で「頭のいい女はかわいげがない」だの「女のくせに稼ぐと思って」など、
平気で言う親父たちが存在する。そういう連中は「旦那の稼ぎが悪いから働かされている」など、
私はこの手のことを言う男の方を「働くなんてかわいそー!」なんて言うとされる専業主婦より
多く知っている。地方じゃそういう中小企業主がよく見受けられる。
もちろん全員がそうではない。どこでも馬鹿の声が大きいので目立つものの、
決してそうではない人間がきっと多いだろう。
しかし、雇用者を厚遇で雇う余裕のない中小企業が多い地方で、
年収800万以上の専業主婦を持つご家庭などまれだ。どこの地方もそうではないだろうか。
一方、大都市圏ではどうも男性あまりらしく結婚難に思われる。
地方出身者男性が地元のお嫁さんをもらいたい、の見合い話をよく聞くが
大不況下に地元でかろうじて職を得た女性がその職を捨てて結婚するのに、
Mr_Rancelotのような女性も仕事を必ずすべき!の考え方の人間が容認するかどうか、
私は疑問に思っている。
私は多数の地方とほんの一握りの大都市圏の格差が社会問題の原因の一つだと考えている。
「コンビニのおにぎりは高い」の意識を持った子供たちがやがて職を求めて都会に巣立つだろう、
「ふるさと税」の導入に関して地方知事が
「地方の教育費で育った子供が大都市の納税者になる」の意見を出したのに、
私は大きくうなずいてしまった。
ふるさと税の導入を賛成するか反対するか決めていないが、地方知事の意見には一理ある。
(続く)