Mr_Rancelotの「専業主婦」批判を読む。(その3)

現実に地方で「専業主婦」であり、周囲の人間も「専業主婦」が多い私にはMr_Rancelotの
「専業主婦」像が全く見えない。
地方で配偶者の年収が200万にみたない「専業主婦」は多く存在する。
当然、自分もパートタイマーとして働くわけであるが、何故パートタイマーにならざるを得ないかと言えば
やはり子供を持つという問題がある、産休、育休がとれるような企業は地方に当然少ない。
元々企業自体が都会にくらべれば格段に少ない。保育所設備も数少ない。産休、育休がとれて保育所も確保しても
子供が小学1年生になった時、仕事をやめざるを得ない母親は少なくない。
学童保育がある小学校ばかりではないし、小学2年くらいまでは子供は学校から非常に早く帰ってくる。
地方で、仕事をしながら子育てするにはまず夫、妻双方の実家のサポートが万全でなければ至難の技だ。
昨今少子化は女性の社会進出のせいだの声もあるが、私は実際この10年続いた大不況のせいで、
子供を産む余裕がなかったためではないかと感じている。その中で、仕事を諦め、なんとか子供を産み育て、
安い賃金で使い捨てのパートタイマーとして社会に復帰するのがほとんどの「専業主婦」の実情で、
彼の書く「ユニバーサルな救済」は「頭の悪い専業主婦が多い」などと記すことで解決出来るものなどではない。
また、彼が「制度的な恩恵」と示すものがなんなのか、どうも漠然としている。
パートタイマーである多くの専業主婦も所得税は当然払っている。
社会の構成要員として「制度的恩恵」を多少なりとも受ける「権利」はあるだろうが、
その「制度的恩恵」の実体が私には見えない。彼は
「実際にはケアワークに従事していないながらも、制度的な恩恵にあずかっている専業主婦はいるし、
それ以上に問題なのは、実際に公益性のあるケアワークを担いながらも、専業主婦ではないがゆえに
同程度の恩恵を受けていない人もいる。そうした人も負担する制度として専業主婦という仕組があるのであり、
これは純然たる個人の選択の問題ではない。」
と書くが、「このケアワーク」とは、彼が細分化してみせた「育児」「介護」だろうか?
では彼は「育児」や「介護」は「専業主婦の仕事」と見なしているのだろう。
それでは「専業主婦」も「業種」と言えるのではないのか。
「制度的な恩恵」と繰り返されても何を示しているのか、
大多数のパートタイマーである「専業主婦」にとっては税法上の優遇措置など微々たるものに過ぎないのだが。
彼はごく少数の恵まれた「専業主婦」のみを取り上げ「父子、母子家庭」に対比させ
おかしな「専業主婦批判」を煽っているのではないか、私にはそう思われてならない。
ケアワークである「介護」の例を取り上げれば「介護」される人が「制度上の恩恵」を受けるのは
当然の「権利」で、日々の主な介護者の専業主婦が「制度上の恩恵」を受けているわけではない。
それに「介護」の世界を彼はどのように見ているのか、そう簡単に「介護」を利用出来る老齢者などいない。
やはり「育児」が終わったあと「パートタイマー」をしながら「専業主婦」が「介護」をになう、
もちろん「無報酬」で。私の場合、実家と配偶者の両親、あわせて4人の面倒を見なければいけない。
彼の書く「制度的恩恵」ってなんだろう?「専業主婦」は本当に恵まれた存在か?
「父子家庭」「母子家庭」に比べて、絶対的に「恵まれている」のだろうか?
確かに「父子家庭」の問題は見捨てておけないが、彼が対比させるに値するものを取り上げているか
私は疑問に思う。細部を丹念に掘り起こせば彼の対比のゆがみが見えて来る。
彼の書く「専業主婦優遇」とはあまりに曖昧すぎる。
私が「専業主婦」の現実や実体を書いてみせてもすぐ「同情しない」「ルサンチマン」と
妙に感情的な言葉を持ち出して、話しを撹乱してくる。
まともに向き合おうとしたとたんに逃げ腰になるのは何故なのか、
あんなに呼ばれなくてもブクマコメントしてくるのに私が彼のことを「書く」とはっきり書いても
トラックバックをしないとわからない」とうそぶきはじめる。私が専業主婦ネタで書くと
「専業主婦を仕事と『思いたがっている』」としつこく揶揄しているのに。
これではやはり彼は専業主婦への「人格攻撃」をしているとしか思えない。
再びMr_Rancelotのブクマコメントがついた私のエントリのタイトルをあげる。
「何故専業主婦が叩かれるのか」
それに対してのコメントが
「システムへの批判を全て人格攻撃として処理してしまう頭の悪い専業主婦が
多いからではないですかぁ?」
これは「頭の悪い専業主婦は叩かれて当然」と言うことではないのか。
「頭が悪いもの」は「叩け」、私はここにナチスが悪用した「優生思想」を見る。
彼の独自の「言語」解釈では、私のほうが「ナチス」であるかのような
ほのめかしをするが私を「処理する場」などと書くのは彼の方がよほど「ナチス」的ではないのか。
なんにしても「処理」されるのはまずはじめに、非礼なブクマコメントを残した彼の方からのはずだ。
ところで今回私は初めて彼に配偶者がいることを知って心のそこから驚愕した。
その学歴さえも誇るにたるはずの配偶者がいながら、見ず知らずの人間にいきなり
「頭の悪い専業主婦」のラベリングをする人間が存在しようとは、私の交際範囲では考えられないことだった。
モテナイ男が欲求不満からついそのような罵倒行為を働いてしまった、と考える方が私にとっては
まだ許せる話しである。
彼は配偶者に関するエントリは消したそうであるが彼の理屈から言えば子供に関するエントリを消さない私を
そのことで批判するのは当然の行為なのだろう。
事実、彼は私のコメント欄でも
「あなたにとって子供がかけがえがなかろうが、
あなたに育てられる子供が気の毒だと思う気持ちにかわりはありません。
あなたはお子さんのことをしばしば日記に書かれていますが、
それを受けてのコメントです」とためらいもなく書いている。
私が子供のことを出されて激怒するとさも気持ち良さそうに繰り返している。
彼の「頭の悪い人間は徹底的に叩け」とでも言う論理からすれば
「頭の悪い親の子供はおぞましい存在」として「処理」されるのも妥当とされるようだ。
これはユダヤ人の子供まで根絶やしにしようとした「ナチス」の考え方とおなじではないのか、
先日、ネット上で事故死した子供の写真を晒した人間の精神にも通じるのではないか。
彼は人が嫌がることに目をつけると必ずそれを繰り返す。
「頭の悪い専業主婦」「専業主婦を仕事と思いたがっている」
「何故「専業主婦「業」とするのかわからない」
これを「嫌がらせ」と言わなければ何を嫌がらせと呼ぶだろう。
また1年前から私がネット上で注目を集めるとすぐ煽りのブクマコメントをつける、
これは「ストーカー」行為と私には思われる。
(次回で最後にします)