「上等な私立」VS「下等な世間」?(その2)

先日から中村うさぎさんVS小倉千加子さん「幸福論」の感想を書こうとして
中村うさぎさんを理解しようと著作を読みふけっておりますが読めば読むほど
中村うさぎさんは謎な人で、こんなしょうもない事を書くのに逃げています。
さて、私は実家の近くに住んでおりまして、私が通っていた当時がもっとも荒れてたと言われる母校の中学に今、
上の子が通っています。色々悩みはつきませんが近くに元旧制中学だった私とダーリンの母校の高校があるので
最終的にそこに入ればいいだろうと、夫婦共にたかをくくっております。公立高校もダメだとは
よく聞かされてはおりますが行ってからまた考えればいいだけの事であって、それほど心配しておりません。
私が何より助かってるのは実は幼稚園から国立大附属をずっと歩まれたダーリンが
あまり私にうるさく言わない事です。多分、私と結婚した時点でそのような常識とは決別してくれたのでしょう、
上の子が小さかった頃、私は(当時)私立しか幼稚園がなかった高知に住んでいましたので
しかたなく私立幼稚園に入園させました。また「お受験」なんてもんが妙に流行った時期で
私は流行りモノが大嫌いなので全然その手の事はしなかったものの、大学附属を狙うお母様方が意外に多くて
驚いたものです。お父様が大学附属でお母様が違ってる場合、物凄くお母様が必死になって附属を目指す姿は
涙ぐましいほどでそれは多分夫とその子供に対する愛情の深さ故だったのでしょう。
子供の出来が悪いと自分のせいになる、なんてさもしい根性ではあれほどの努力は出来ません。
また、地元の公立出身のお父様がシャカリキになってお受験させるのもお見かけいたしました。
お父様、あなたちゃんと公立から子供をお受験させるレベルにまで達したんじゃないですか、
もっと自信をお持ちになってはいかがですか?と私は思いますが人はそれぞれです。
うちのダーリンは、近所のお友達と遊びたかったのに、をいまだに恨みに思っている人なので
「ずっと附属」には懐疑的です。ま、ずっと一緒のご学友の社会的レベルはたしかに高いですが
それが役に立ったなんて事は今のところありません。もちろん、公立中を出た嫁を貰ったせいかもしれませんが。
さて、我が愛する母校、「全開バリバリだぜ」が全盛期だった頃、すでに流行の先取りをしていた
素晴らしい中学には、世間が思うほどビンボー人ばかりが来ているわけではありせん。
たしかに小洒落たお家の方は近所の私立に子供を行かせる事が増えてはいますが昔からいる地元の名士は
まだお子様方を地元の中学に入れる事を当然と考えています。これはもう都会では失われた「郷土愛」というもので
その土地に暮らすものの責任を果たすことも大切な「教育」と考えているのです。
地元の優良工場を経営する一族の一人である私の幼馴染みは従業員の子供と自分の子共を同じ学校に通わせる事に
ためらいはありません。様々な情報を子供を通じて常に把握し、学校側が対応不能に陥りそうな事態にでもなれば
できる限り手をまわして体面を保たせ、事をおさめる。これが回りまわって従業員の家族を守る事でもあり、
また家業の繁栄にもつながるのです。大変な資産家ですが派手にお金を見せびらかすような人たちではないので
ここ10年の大不況も従業員の首一つきらずに乗り切りました。「同じところに住むものどうし」の「連体」
とでもいいましょうか。雇う側が雇われる側に責任をもっています。子供同士も知り合いですし。
これはお互いに顔が見えてなければ出来ない事です。今のところここのお家の方に逆らうような
不届きものはいませんし「陰の実力者」と頼りにされています。また近所の私立校の隣に住み、
少なからずの土地をその学校に提供している大地主の家の子供もうちに通っています。
お金に何の不自由もないので役に立ちそうにない学歴には興味がありません。学校の成績もいいのに、
御両親共にゲ−マーのせいかその子はみんなに「ゲームの達人」と呼ばれています。
うちに来た時、誰もクリアできなかったゲームの局面をひょいひょいやって帰ってくれました。
大きなお家の地下には保存版のエヴァDVDとかガンプラとかがあるそうです。
なんかおたくの英才教育を施されているようにも思えます。別に働かなくても食っていけるけど、
御両親で趣味性の高いお仕事をされています。多分お子様方もあとを継がれるでしょう。
今のところ彼らが「吹きだまり」とみなされる「公立校」で「引きこもり」になる気配はまだありません。
また他にも美容室とかフレンチレストランのオーナーシェフとかの子供達も我が母校には元気に通ってきています。
(またつづく)