映画感想「ジュディ 虹の彼方に」

クリスマスイブにネットフリックスで。

大号泣。

オズの魔法使い」でドロシー役をしたジュディ・ガーランド

こんなにも不遇なスターだったとは知らなかった。

歌もうまくて演技もできて、であったにもかかわらず情緒不安定で、

昔のスターによくあるように酒と薬と浪費癖で自分を損ねてしまう、

それでも最後まで舞台に立って多くの人を楽しませた。

最近ようやく知ったことだが、かつてのアメリカでは

「クスリ」を平気で子供に与えていたようだ。「ビタミン剤」くらいのレベルで。

子供時代から「クスリ」を強壮剤代わりに与えられていては

依存症は本人のせいだけではないだろう。ルイス・メイヤーが悪い。

どこかの映画でも描かれていたが「メトロゴールドウィンメイヤー」の

「メイヤー」氏は相当な悪徳業者だったようだ。

映画に話を戻せば、ジュディが47歳の若さで亡くなるその1年を映像化した作品で

遺族であるライザ・ミネリが少々ごねたのはわかる気がする。

主演のレニー・ゼルウィガーの熱演に、

遺児がもし見たらいたたまれなさを感じるだろう。「あったかもしれない」お話に。

子供たちへの惜しみない愛がありながら浪費癖だの人に騙されてだので

子供たちと住む家すらもない。冒頭場面ではホテルからも追い出される。

それでも子供たちには愛されている母親だったのが丹念に描かれ、涙を誘う。

どれほど舞台で失態をやらかしたところで、仕事がまるきりなくなるわけではなく、

熱烈なファンもいたのでスターとしては超1流だったのがよくわかる。

もっとちゃんと管理してくれる人がいたならば、、と思わないでもないが、

管理してくれる人に従わないのが超一流のスターの常か。

知らないことが多いのでマイダーリンとともにジュディのウィキを

読みながら見てしまった。

巨額の借金が死後も残って本当かウソか、娘であるライザ・ミネリ

その借金を肩代わりしたようなこともネットにあった。

本当だとしたら、子供たちには心から愛された魅力的な母親だったんだろう。

ハリウッド女優の母親としては珍しいのではないかと思った。

薬漬けであったにもかかわらず、3人のお子さんを持てたので、

依存症でなければもっと長生きして幸せになれた気もする。

才能に命を削られながら、才能で喜びも得た稀有な生涯だったと理解した。

良きエンターテイナーには幸せになってもらいたいものだ。

面白かったので星は5つ。おわり。