働くお嬢様(たち)

娘の職場に産休中の方がいて初産でそれぞれ20代、30代、
20代のかたは予定通りぎりぎりまで働いてなんらトラブルなく、産休に入って次の日くらいにするっと元気な赤ちゃんが生まれ
本人も「出来るだけ早く帰ってくるから」と産後もぴんぴんしているが、
30代のかたは、妊娠してから職場でも再々具合を悪くしてとうとう入院、予定よりはるかに早く産休に入ってしまわれた。産後も職場復帰は怪しいとか。
「年齢でこんなに違うなんて!」あまりにもわかりやすい比較を目の当たりにした娘は「子供は絶対20代で産む!」と宣言。
そう思ったのは娘だけではなく、既婚アラサーの先輩がより切実に早めの出産を意識したようで、
「本格的に妊活に入る!」「私のすべてをあなたに託す!」と現在、娘はその先輩に仕事を叩き込まれている。
ともにマーケティング部所属で、その先輩は広報の最前線の人なので華やかな場に出るのに消極的な娘をなぜ見込んでくれたのか、
慎重な性格ゆえに今までも様々な代表に選ばれてきた娘は何でもやりこなしてしまう。基本的に大きな間違いをしない。そこが信用されたのか。
働き始めてからいろんなことを先輩方に仕込まれてきたので、娘はかなり積極的になった。
「どうせやらされるのなら、自分からやろうと思って」と相変わらず後ろ向き的な発想ではあるものの、大きな進歩だ。
仕事を初めて1年ちょっとでずいぶんと成長した、学校では学べなかったことを学んでいるようだ。
しかし、「妊活」に入るために後進を育てるとは、若い女性が仕事を続けるためにはクリアするハードルが数多くあるのを感じる。
出産前に出産後の仕事の段取りまで考えて、その上で保活もする、なんて、
やはり私が若いころから、優秀な人しか仕事を続けられない状況は変わってないような気がする。
娘の職場には時短勤務で仕事を続けている方もいて恵まれているのでその段取りも目に出来る。
仕事を「続ける」努力をすることも無言で教えてもらえるのはありがたいことだ。
「今度○○の仕事をすることになった」と田舎者の私が驚くような大きな仕事でも娘は淡々と話す。
「働くお嬢様」なのだなあ、と感心。娘の先輩方にも。