「らしさ」って、、?

ちょっと前から人間の分類方法に関する本ばかりを読んでいてふと「自分らしさ」とは誰かが作った枠組みに
無理矢理自分を押し込めていく事じゃないかと思う。こういうのが「セレブ妻の暮らし、、」と
おそらくは雑誌が適当に発信した「イメージ」を自分の作り上げたものと思い込み、できる限り
それに近づこうとする、その努力は立派だし、いい方向に変わる人だっているだろうが、
大抵は現実とのバランスがとれないまま生活が破たんするか個々の人格が壊れてしまう。
「上流」な生活、って私にはあんまり想像がつかない。例えば「年収1000万以上の人と結婚して
車は外車、年に一度は海外旅行、一等地に一戸建て、私は専業主婦で、子供は幼稚園からずっと私立」
なんて具体的なように見えるが実際年収1000万円で、そう言う生活が旦那の稼ぎだけでできるかどうか
試算してみれば絶対出来ないのはすぐわかると思う。プレジデントファミリーではわりにあっさり
たとえ年収800万であっても祖父母のバックアップ無しには子供二人を私立にずっと行かせるのは難しいですよ、
と書いてあるので、まあ、良心的でもあるが、半面、私は年収800万クラスの人間が
そんな常識を知らないとも思えないのでおそらくはそれ以下の年収のちょっと夢見がちな人が
あの雑誌を購読する層なのかもしれない。或いはやっと自分の努力だけでここまで這い上がりました、
の人が読むのか?それならその経験の方がよほど雑誌より役に立つ、
いや、それはともかく、あちこちで「らしさ」のいいかげんな「型」ばかりがあって、それを選ぶのは
「自分」なのである程度「自分らしく」はあるんだろうが、現実を考えて少々は独自にアレンジしてほしいもんだ。
何となく自分と同じ型を選んでいるような人間に「それは違う」とか「私の方がちゃんとしてる」とか、
専業主婦はこうあるべき、とか、母親はこうでなければ、とか、その「型」の子細をよくよく見てみると
相当いいかげんだし、で、選んだ「型」のどこが悪いか問いつめても、はっきりとした言葉はかえってこない。
あちこちネットを周遊していると「旦那の給料でブランド品をためらいもなく買う」ってのが
「専業主婦」の「定説」となっていて、その「型」の発信源はどうもマスコミ関係で、
マスコミ関係の妻である専業主婦がそういう事をしているからルサンチマンが、、ってあったけど、
旦那の金を使いたい放題な妻なんて私は専業主婦15年やってますけど未だ見た事はありません。
たとえいたとしてもその事に文句を言えないのは多分、そういう妻を持つ事になんらかのメリットを
夫が感じてるからじゃないんですかね。旦那の給料でブランド品をこともなげに買うってのは
そういう暮らしを実家でもやってこれた奥様方、旦那さんに拒否されたら、何の不自然も感じず
御実家に欲しいものをねだり手に入れると思いますよ。そういう裕福な御実家を持つ妻に何も言えないのだとしたら、
それは夫が自分の職業か自身のプライドに「プラス」になるからでしょう。それにルサンチマンがあるのは、
単なる「馬鹿」ってだけで、転勤はある、子育ては手伝えない、なれない土地で四苦八苦する妻に
「たーまー」のブランド品のプレゼント、くらいが専業主婦のブランド買いじゃないですかね。
それだって、たぶん大した事ないですよ、私のごく最近の「ブランド買い」は去年のクリスマスと
誕生日と結婚記念日をあわせたプレゼント、「ダイソン」の掃除機、だしね。8万円弱したことを
いまだにダーリンはぶつぶついいますが、毎日これでどこを掃除しているんでしょうか。
本の山はホコリを吐き出します。一体稼ぎの何割を趣味に使ってるのかよくわからない旦那のこうるさい要求に
きっちり対応するのに、もし家政婦さんを雇えば一体どのくらいかかるのか、今度調べてみようと思ってみたり。
あのね、そのへんをこれ見よがしに裕福なフリをしてきゃあきゃあやってる「ブランド妻」なんて
「セレブ妻」じゃないですよ、「パチモン」です。そんなわかりやすい安物のことしません、本当の「奥様族」は。
人目にふれないところでたまにひっそりとお仲間と集うのです。
見せびらかす事で自分の「型」の確認を行う、「自分らしさ」を認めてもらう、型がないとデロデロと
自我は溶け出していくんでしょうな、哀れでもありますが、時々迷惑にも思うのでした。
といって、適当な「型」をその時々都合よく利用している私の自我もデロデロとしているのです。
自分「らしさ」なんてそんなモンじゃないですかね。