三浦展「上流な私?下流な私?」を読んだ。

年末に読んで私の「アホ箱」の中に入りかけて、いやいやもう一冊読んでから、と思い直して読んだ
三浦展、「上流な私?下流な私?」でいよいよ「アホ箱」の中に封印。ま、トンデモ本を読んで
トンデモ本だったと言うオチもあんまりだと思うんでもう少し生暖かい目で見れば、
この手の本はとにかく自分か誰かを分類して安心したい人には役に立つんだろうと思う。
今はトンデモ認定された「血液型性格占い」だとか「占星術」だとかを信じたい人向けに書いてあるんだな、
なんかおかしな「イエス、ノー判定」もあって私はこういうのをするのが苦手なんでどこにもあてはまらん、
矢印のはざまに落ち込んで永遠の迷子なんだよぅー、いい年して。そういや学生時代に妙な心理占いが流行って
途中でブチ切れしたことがある。しょうもない、ジャングルの中に入って川に落ち込んでどうのこうのって、
セックス系の判定テストだったと思うんだけど別にオチを知ってるわけじゃないのに、
なんでジャングルなんかいかんといかんのじゃあ、川なんかには落ち込まん、とだだをこねてしまった。
想像力がない、と怒られたが、私は想像力があるから嫌なんだよ、ジャングルなんか行ったら蛇がいるじゃないか、
蚊だってわんさかいるはずだ、そんなとこに行きたくないー、と戦い、ノリの悪い奴認定。
「品の良い暮らしがしたい」なんてどんな生活かわからんからイエスもノーもないわいっ!
大体アンケートでも考え過ぎるから最後まで行き着かんのだ、でも行き着く先にロクなもんがなかったら
いっても無駄って気にならんかね。この三浦展のアンケートにつきあった人たちはえらい。
私は実生活では地図もなしに目的地につく異様に帰巣(?)本能が発達した人間なんだけど
行きたいところがないから、永遠にイエスノーの空白部分をさまよう、ああ、白い世界、、
この本のアンケートの細部に注目していると面白いから、この著者以外の人に分析させればいいんじゃないのかな。
例えば「きちんとお嬢さん系」の人が結婚しなくなっているのは何故か、或いは子供を産まない、
産んでも一人だけ、とかは何故か、もうちょっと煮詰めたらこういう本を好んで読む人のためになりそうな。
だって好意的に書いてある人物像が「理想」でしょう、でもそういう人が結婚しないから親世代は悩む。
「経済的にゆとりのある家庭に育ち豊かでオシャレな暮らしを送っている。玉の輿にあこがれるわけでなく
仕事に対しても資格取得や財テクにも前向きな努力家。品がよく礼儀正しく何ごとにもマジメで任せて安心。
ブランド大好き。男性ウケも大事。」自分を中流と自負する親世代の娘像だなあ。うんざりした。
実は「ザ、フェミニズム」とチャンポンで読んで、楽しかったけど。
年末年始、細木やら江原やら美輪やら、小デブや妖怪に前世や地獄やらごちゃごちゃ言われるより
まだ根拠が弱くてもこの手の人間分別方法をとった方がマシか、でも辛酸なめこさんが朝日新聞の特別TV版に
「前世はもう終わってるから恐くないです」と書いてあったのには納得した。
何のかんの言っても自分だってある程度カテゴリー分けしてあれこれやってるんだからこの手の本を読むんだよな。
そして勝手に腹を立てる、人間、自分に似たものが必ず憎いものよ。
で、今、とどめの「下流社会」をムカ入れながら読んでる。なんでこんな品性下劣な輩の本ばかり売れるのか、
それは私のような人間が読むからです。以上。