被服メモ。

都市部への移動が増えてコートも増えた。

しかしあんまり好きな色ではなかったりして、気分が下がる。

好きな色は結局「動く」ための色ではないのだよね、

「動く」理由は「旅行者です!」を強調するためではないので

無難な色になる。

最近、ようやく知ったが、ロングコートの白って、

お金持ちの色だったのね。

知り合いのマダムが白いダッフルコートを素敵に着こなしていたので

「冬の白もええなあ」などと、

うっかりバーゲンで白に近いベージュのコートを買って、

その汚れやすさに、涙。

考えてみれば彼女はおベンツで移動する人であった。

この手の失敗は時々やらかしそうになる。

以前、トランクを買い換える際に当時話題になっていた

「グ○ーブトロッター」は何が良いのか某マダムに聞いたところ、

「あれは他人に持たせるためのトランクだから、、」と

最低でも大きなおベンツのトランクに放り込む程度でなければ、

と教わった。

なるほど、家から放り込むときも

到着地でも下ろしてもらうためにも

人の手を当然借りる方のためのトランクか、、と、納得。

そんなものが何故流行?と広告って恐ろしいわぁ。

持ち物、服の色は階層を露わにするものなのね、、、(涙)

暴れん坊本屋さん」で有名な(ちょっと古いか)

久世番子さんの「神は細部の宿るのよ」と言う被服エッセイで

「紺・黒・カーキ」色の服をよく着ることを「軍隊女子」

と描いてあったが「紺・黒・カーキ」は

「労働者階級」の色でもあるのだよ、

と言うわけで家事労働しかしていないおばはんでも

その手の色が、特に派織物類は、増えていくのであった、、、

おばはんは、派手なオレンジ色のスプリングコートを持っていて

気に入っているものの、これを都心部で着るとたいそう浮く。(気がする)

東京は労働者階級の多い町じゃの、と負け惜しみを書いておく。

特にオチのない話をだらだら書くのに飽きたので、被服メモはこれにておしまい。