福岡の和菓子はバタ臭い。
「うちらは高価なバターを和菓子にもケチりませんからな」
ってな感じでなんにでも「バター」をふんだんに使っているにおいがする。
銘菓「とおりもん」は「ミルク饅頭」の部類で、
これも「餡」がバタークリーム風だ。
そもそも、味自体「和菓子」としていいものかどうか、
つくっているところも「名月堂」と和菓子屋さんの名前だったりして、
言わねばわからない、と思っているのか
「とおりもん」は「博多西洋和菓子」などとわざわざタイトルをつけている。
そしてまた、私がこよなく愛する幼少期の駄菓子「クリームパピロ」に
「クリームパピロ」は「七尾製菓」と言う北九州市の製品で
とりあえず和菓子か洋菓子かはあいまいだが、
「千鳥饅頭総本舗」はまぎれもなく「和菓子」屋の名前。
しかし、ここには何故かパイ包み風饅頭があって、
その名も「ポルトス」とフランスの小説「三銃士」の一人の名前がついている。
ちなみに「三銃士」の中の一人「アラミス」は香水の名前として有名だ。
この不可思議なネーミングセンスを突き詰めて福岡銘菓の世界に
どっぷり浸りたいが、本題はここにはない。
福岡の町で素敵な洋菓子屋さんを何軒か見つけ「ケーキ」をいくつか買ってみて、
私は「杏(アプリコット)」が大変好きで、
その砂糖漬けに見えるものが生クリームの上に格好良く
つやつやと飾られているのを見た瞬間、大喜びして買って帰って、
さあ、食べよう!と一口入れると、その上にのっていたものは「金柑」であった、、、
ここで何故「金柑」!
何でここで「金柑」!!
味は「金柑」の「甘露煮」!!それは和菓子だろっ!!!!
そうか、福岡では「和菓子」と「洋菓子」は「ボーダーレス」なのか、
もう何でも「九州のお菓子」でくくるのか、
本来「杏」を使うものであっても、見た目が似てれば
「金柑」でもオッケー、なのが福岡クォリティーなのか!
それでも「金柑」、何故に「金柑」!!
といまだにこの件に関しては取り乱す神戸洋菓子で育ったおばはんなのであった。
続く。