「ドクター」コース終了後、研究職をあきらめた人の話がホットエントリにあって、
ほかのエントリを見るとはて、何処のドクターであったのか、元々、あまりメジャーじゃない分野だったのか、
現在、工学部の院生である娘の場合だが、ドクターコースに入る人は進む道がはじめから決まった人が多いように思う。
ドクターの半分くらいは企業からの出向者だそうだ。
つまり企業がお金を出してドクターコースで社員を育成している。
行きたい企業の研究員になるために研究をしぼってそこそこの業績を上げて企業入りする人もいたり、
ゴリマッチョな製造関係だからなのか、エントリの人とはかなり状況が違う。
学部で出ても引く手あまたな大学であっても、ドクターコース選択は慎重にならざるを得ない。
娘の研究室は卒業者が「ここを出たら社会のどこでもやっていける、ここはブラックだから」と笑いながら話す、
「コアタイム」はないものの常に誰かが24時間研究室にいるようなところで
娘は毎日「7時半出勤、23時帰宅」の生活を送っている。土日も、ほぼ、ない。
はじめから「休み」と言う概念がない。(涙)
ちなみに娘は大学まで歩いて5分もかからないところに住んでいる。故に出来ることだ。
娘の学部時代の同期もきつい研究室で勉強も山ほどあり、「これ以上は、無理!」と学部で卒業して就職した。
現在「夜の9時に家に帰れてお給料ももらえる!」と驚いている。
毎日「夜の9時」を「早い!」と考える女子がこの世にいようとは、
「あんまり暇すぎてキックボクシングを始めた」そうで「とにかく夜が暇」と工学系はそうなってしまうものか、、
娘の話に戻せば、今の生活が「当たり前」になっているので、それほど苦でもないようだ。
元々、工学系の勉強はそこまで辛くないらしい。今のところ院に入っても「フル単」をキープしている。
それでも娘はドクターまでは考えていない、結局ドクターは「お金」がなければ続けていけない、
そしてそのお金を集めるのは、また別分野の才能がいるようで、それが出来るかどうか、
娘曰く「出来ないわけではないけれど、そこまで私は研究に熱意はないしね」と、
やれば面白いし、できるけれど、自分の身をとことん削ってまでやるようなことか、と言うと疑問なようだ。
「もし、ドクターに戻りたかったら、企業から出向させてもらう」と、それが一番ドクターの無難なコースなんじゃないか。
ただ、たぶん自分のやりたい分野がはっきりしている人の場合、難しいのかもしれないな。
言われた研究を素直にするタイプのほうが向いているだろう。うちの娘はそのタイプ。
意思を持ってドクターに進むのははじめから茨の道、とはもう少し知られておくべきかも。
おわり。