昨日、某所にて雑誌をめくっていると「ハリー・ウィンストン」の広告があって、
時計も作っているのか、と興味を覚えたのでそのキャッチコピーを読んで、驚愕。
「お前はツィッターの「なんちゃって素敵奥様」かー!」と叫びたくなったほどその「設定」がすごい。
思わず、何の雑誌を読んでいるのか確認してしまったわ。確か「ストーリー」だった。(「ベリィ」かもしれん)
これはこの雑誌の「オリジナル」コピーなのか、
短い文章で、いかに自分が素敵ライフを送っている女子かを表現するツィッター独自技術満載で、
「義母から引き継いだ慈善(学術?)事業基金の理事として協力者の方を招いてのガラ・パーティ」と、
要は、「お金持ちの家に嫁いだ意識の高い私が本来仲の悪いはずの義母からも可愛がられてます」な、
ここまで言葉少なで情報過多だと、かえってみじめったらしく思える現実に愕然とする。
私が心から驚いたのが、以前の広告ならば無理やりにでもその手の「○○夫人」を探してきたのに、
いまや、どちらかといえば庶民的な可愛いモデルさんにその「設定」を無理やり演じさせている。
これがちっともそう「見えない」わけで、この広告を見て「素敵!ハリーの時計が欲しいわ!」と思う人はいるのか、
雑誌の読者を馬鹿にしてないか、あまりにもごつい設定のコピーでモデルさんが貧相に見えてしまう、ほかのページでは十分可愛いモデルさんだというのに。
ハリー、広告の仕方を間違ってるぜ、ハリー!こんなアホみたいなコピーで売れるのか、ハリー、しっかりしろ、ハリー!!
なんちゃって、さほども「ハリー・ウィンストン」に思い入れのないわたしなのにここまで書かせる破壊力のあるコピー、おそるべし!
マリリン(・モンロー)のお友達の「ハリー」は魅力的に思うが、この「コピー」で私は「素敵!」にならない。
これは世代の違いで、今、光文社系雑誌を読む世代はこれで「素敵!」と「ハリー」の時計に大枚をはたくものか、
私はお高い「ハリー」の商品まで貧乏臭く見えて困った。
少ない言葉に多くの情報を満載するのは、就活のエントリーシートのようで、「効率」は「豊かさ」とは相性の悪いものだとあらためて。
ま、雑誌のコピーなんてわざわざ読む人はいないか。
しかし広告会社はもうちょっとまともなコピーライターを使うべき、と思ったのでした。