雑談。

先日、帰省した娘がしみじみ「ママがなんで「彼氏であっても自分の部屋に安易に入れるな」というかよくわかった」といったので、
何があったのか聞くと隣の部屋に入ってきたおそらくは大学1年生の女の子が夏休み前から早くも「同棲」らしきことをはじめたようで、
「それだけなら仕方がないのかと思うんだけど、その女の子が部屋にいないときに、相手の男の子が自分の友達を次々その部屋に入れるようになってね」
「そのことでしょっちゅう、けんかしてるの、壁とかどんどん殴ってたりするし、相手の男の子もなかなか出て行こうとしないみたいだし」
「男の子のたまり場みたいになってて、今、その女の子、ほとんど部屋に帰って来なくなってるみたい」と、
そういえば、夏休み前に部屋に行ったとき、なぜか男の子の靴が何足も共有部分に出ていたりして「マナーが悪い」と思ったな、
心配なので部屋を替わるか?と言ったがもう少し様子を見る、とのことで、
なんにせよ、大学に入ってすぐ付き合い始めたらしい男の子を部屋に引き入れるお嬢さんもお嬢さんだが、入りこむ男も男、
娘は「確かにろくなのがいない」と、隣の騒音被害で学んだようだ。
「彼女の部屋に自分の友達を引き入れる人なんて、論外だわ」と娘は憤るが、たぶん、そのお嬢さんの部屋の敷居が低かった故に侮られている、
彼女の部屋に遊びに行く、とは大きなイベントではあるものの、その大きなイベントがあまりにも早く起こると、
男というのは身勝手にも「この女、誰でも男、引き入れるんじゃね?」という疑念を持つ。
あるいは「こいつ、何をやっても俺の言いなり」のような勘違いを起こさせて、結局は、双方に良い結果とならない。
世の中には、短期間で「親友!」をみつける人間がいて、その「親友」は短期間で変わる。
同じようにすぐ「恋人」が出来ても長くは続かない、人と人の間に必要な「距離感」がまったく理解できない人にありがちだ。
距離感とは緊張感であり、相手にどの程度の配慮をするべきかを常に考えることであり、相手への尊重となる。
他人への配慮は、また自分の立場を守ることにもつながる。
私は同性の友達でも、安易に部屋に入れなかった。一度他人を部屋に入れてしまうと、次に断ることが難しくなるからだ。
「個人の領域」に他人を簡単に踏み込ませるものではない、が娘にどの程度伝わっているか、
娘は隣に住む人のおかげ(?)で少しは学んだようだ。その経験を今後生かして欲しいと思う。
私の学生時代の異性の友人たちは、過ぎるほど紳士だったように思うが、
いわば「君子危うきに近寄らず」の「リスクマネジメント」の出来る人だったので、
全員、現在、社会的に高い地位にあり幸せな結婚をしてよき父親になった。
大昔から「慎重」な人間は、ある種の軽はずみで成功より失敗のほうがはるかに多く、
時間の無駄をしているのになぜか「いけてる俺。私」と思い込んでいる人間の軽侮の対象であったが、
最終的にはどちらが良い人生を歩んでいるかといえば、私は慎重な人間のほうに思う。
それを「つまらない」かどうかは、結局は「本人」が決めることだ。