雑記。

吾妻ひでおの「失踪日記」を出してきたらなんと「人間仮免中」と同じく「イースト・プレス」出版。
イースト・プレス」とは病気系の作家作品を専門に手がけているのか!なんちゃって。
失踪日記」の「腐ったリンゴはあたたかい」がどこにあったか、正確には「腐って発酵したリンゴは凍った手を暖めてくれた」だった。
記憶は言葉を省くなあ、、この場面が印象に残ったのは、自分に腐ったリンゴのほのかなぬくもりを感知する能力があるか、
ほんのわずかなぬくもりをも感じとることのできるほど吾妻さんは手を冷たくしていたんだなあと泣けたからだ。
吾妻先生、あなたの手は商売道具でしょうに。作家とは何故こうも自分を傷つけるのか、心を病んでしまうのか。
今まで読んでいなかったがダーリンが山ほど買い込んでいる「失踪日記」関連本、
「うつつひでお日記」「うつうつひでお日記 その後」(角川書店)「逃亡日記」(日本文芸社)「失踪入門」(徳間書店)を引っぱり出してめくっている。
これをいちいち読んだの?とダーリンに聞いたところ「読んだ」と、あなたは本当に、、、(涙)
吾妻先生の場合、失踪中にお家の方もいろいろ金銭的にご苦労もあったようだし、その足しにちょっとでもなれば、とせっせと買ったんだろう、
うちのダーリンは時々こういう事をする、年をとって明らかに劣化した作家の作品がひっそり出たらかならず買っている、
同じく年をとってきた「マンガ読み」の作家への応援なんでしょうなあ、、、卯月妙子さんの「人間仮免中」もその一環か。
おかげでとんでもないモノをふと読む羽目になるわけだけど、まあ、私の配偶者は優しい人だ、腹黒い私とは正反対。
久々に「失踪日記」を読み返して、5年以上たっての私の感想は「ご家族は大変だったろうなあ」に変わったりして、
こうもさっぱりとさまざまなことを省いて作品に仕上げた吾妻先生は天才だがそのうしろ側に隠されたご家族、特に奥様はさぞご苦労されたことでしょう。
思わず合掌したりして。そういう後ろが見える年にもなったわぁ、だから「失踪日記」関連本をおもしろく読める。
とにかく「病気」は周囲が大変です、、、(なんのこっちゃ)