日常。

「4年以内に東京に大地震が起こる確率は70パーセント」との話を聞いて、上の娘に電話した。
「そんなの、日本じゅう、どこに住んでても地震に遭う確率はその程度あると思うよ」「そんなことより試験がー!」
地震」に対してはさほどの不安を覚えず、目先の大課題に取り組む娘はえらいなあ。
大学の文系学部であんなに勉強しなければいけないとは、夢にも思わなかったわ、賢い大学は入ったあとも大変だ。
昨日、話題になっている「タイガー・マザー」を本屋で見かけたのでぱらっとめくって、
話題になるほどの内容ではないような、1000円ぐらいなら買ってもいいか、と思ったが1700円ぐらいしたのでやめる。
それだけの値段を出してまで読むような本ではないと思うんだな、わたしはほぼ子育てを終えているし。
子育て中の人は、「タイガーマザー」のやり方を全否定してはいないようなんでそれはそれで、ちゃんとしているなあ、と感心した。
たぶん、ある種の人にとっては、この考え方は受け入れがたくはあるのだよね。
ただ、私が実感しているのは「虎の子は虎」ってことで、「虎のやり方」で育ててもさほど問題はない。
「家族という密室の中で厳格に育てられた子どもたちはいつか破綻する」的な言い方をよくされるけど、これは「3歳児神話」の悪しき片鱗、
たとえ、子ども時代が不幸だったからと言って、大人になってもいつまでも不幸とは限らない。
子ども時代は短いが、成人時代は長く続く、幸せになれる時間はいくらでもあるんだよね。
自分の子ども時代が幸福であったかどうか、客観的に見て自分の子ども時代がそれほど恵まれていたとは言えないので、
今、大人になって幸せで良かったなあ、などと、よく思う。
子ども時代は決して「不幸」とまでは言えないけれど、楽しい毎日ではなかったなあ、今ほど、楽しく過ごしてはいない。
年をとるにつれ、幸福になることもあるのだな、世間では「大人になるなんて、つまらない」とよく言われていたものの。
昔、「つまらない大人にはなりたくない!」の言葉が流行って、それを聞いた私は「つまらなくない大人になる!」と思ったもんで、
「大人になんかなりたくなーい!」とは一度も思わなかった。
私が「つまらなくない大人」になれたかどうかは別として、自分でも驚くほど、「つまらなくない日常」をおくっているのには驚く。
他の人に言わせれば、私の日常はきっと「つまらない」んだろうが。
他人の感覚と自分の感覚の違いを理解するのは大切だな。