検索記録の言葉から。

「「千と千尋の神隠し」は「少女売春」の話ではありません」(http://d.hatena.ne.jp/chazuke/20080818)と書いて、
今も「千と千尋」「少女売春」の検索がよくくる。
ブコメでは 「少女売春」に過剰反応しすぎて逆効果な好例。」(http://b.hatena.ne.jp/geophysics/20080820#bookmark-9683676)などと、
「少女売春」の「言葉」に過剰反応しているのはそちらだろうに、とうんざりさせられた。
誰かが毛色の違った「暗喩」を持ち出せばそればかりを繰り返して、全体に行き渡る「主題」を見失っている人間が多いことを
嘆いているのが理解できない、まさに「木を見て森を見ない」人間だ。
千と千尋の神隠し」とは10歳の少女むけに作られた映画なので、
私は子供に正確なメッセージを送るためには大人でも理解が危うい「暗喩」を知らせる必要はないと思っている。
この映画を見て「面白かった」と思った子供に、「センは「売春」させられているんだよ」などとささやく大人がいたら紛れもなく変態だろう。
子供を「性」と関わらせるのは非常に難しい。
私はまず「親」への愛情、「仲間」への愛情、そして「異性」への愛情をわかりやすく説くことから「性を語ること」は始まると思う。
その点から見たとしても「千と千尋」はよくできた作品だ。
少しづつ大人になり始める「10歳」の子供に生きていくことの困難も含めつつ人との関わり方を示している。
そこに映画の「暗喩」とされるものを持ち出せば混乱させてしまう。主題をつかみ取らせることが出来なくなるかもしれない。
子供に大切なことを教えるときに手順や段階を踏まないのは大人の怠慢だ、「子供」は「人」であっても「大人」ではない。
大人ならば平気でいられることでも子供であるが故に深く傷つくことがある。
例えば夏の初めに、予防接種を受けに行った私の12歳の娘が母親抜きの問診でセックス経験の有無を聞かれてショックを受け、
http://d.hatena.ne.jp/chazuke/20080721 http://d.hatena.ne.jp/chazuke/20080722参照)
休み中に風邪をひいて高い熱が出たときも予防接種を受けた医院に行こうとすると子供から頑強に拒否されて、仕方なく別の病院に行くことにした。
医院側も初潮を迎えているかどうかを聞けば済んだことを、と少々腹立たしい。子供は何げないことにこだわるものだ。
「不良に思われたかもしれない!」がショックだったと言うが、やはり「性」の関わる話題を他人に持ち出されたのが大きかっただろう。
「性」を子供が考える、その「デリケート」さを意外に大人は意識できていない。
長くなってきたのでいったん置くが、「性」を全く知らせないでおけ、と言っているのではもちろんなく、
知ったかぶりの「暗喩」を持ちだしてその年代にふさわしい「段階」を踏ませる邪魔をするな、と私は書いている。
でもまた、「過剰反応」なんて「過剰反応」されるんだろうな、やれやれ。