教育事情。

私の地元には「東大」「京大」「国立大学医学部」一直線校が公立、私立、それぞれ一つづつある。
私立は中高一貫校で、でも、実際に有名大学に進めるのは高等科から入学してくるもの、
もう一つの公立の特別科を落ちた子供が多いそうで、
ならば幼稚園からそこに通う子供達は何をしているんだろう、とかねがね不思議でならない。
要は「教育」とはお金ではない、と言うことの一面なんだろう。
子供を特定の大学に入れたければそこに行かせることが常識になっていて、
地方で都会の数多くの優秀な子供達に対抗するための措置として有効だと私は思う。
それとは別に「スーパーサイエンス」という「理系研究者」を育てるための特別科が出来たのは「学ぶ機会」の多様性として
私は面白いと思ったのと「近所」なので子供に勧めて、今のところは本人もよかった、と思っているようだ。
ただ、子供は理科と数学は好きで成績もよかったが受験前に数学の成績が落ちたのと、「法学」に興味を持っているので
自分が「理系」なのか「文系」なのか迷っている、それを入学早々個人面接で志望校を聞かれたときに話して
先生は「それなら有名校を狙って欲しい」と特定の大学名を出されたので困惑している。
親の希望としては地元以外の地方の大学に進学して、私は子供は「理系」じゃないか、と思っているので
(「文系」と思うには、「漢文」「古文」は得意だがあまりに「現代文」の出来が悪い。)
興味の持てる分野に進学して、行きたければ大学院、海外でも、好きなことをしたらいい、
特別な大学の名前にこだわることもない、と考えている。
今は未曾有の「理系」ばやりで有名大学の理系学部および国立(今は行政法人か?)医学部は
以前と変わらず入りにくいそうで、そのための特別な「受験」勉強をするよりは、
「スーパーサイエンス」で博物館の講義を聴いたり大学の実験室をのぞかせてもらったり、
自分なりに「テーマ」を決めて何か「研究もどき」のことをしてみたり、その方がよほど高校生として楽しんで学べるだろう、
もう大学の「名前」にこだわる時代ではない、個人の資質を問う時代だ、とそれを現場の先生方はわかっているだろう、と言う期待があった。
今でもそれはある、先生方も「高校で学ぶ」ことの大切さはわかっているはすだ、
本来それを土台にしての大学進学であるべきなのだから。
物覚えの良さが「頭がいい」と言うことになるのなら、子供には高校で学ぶべきことをじっくりと学んで欲しい、
それからその勉強を元にしていける大学を探す、私は高校の先生や子供にそういうことを望んでいる。
もう身も蓋もなく「文系にするなら有名大学を今からならねらえる」などと、まるで塾の先生が言いそうなことを
学校の先生に言って欲しくなかった。
「子供の成績が貨幣」とは本当に私にしっくり来る説明だと思う、なんだか空しい。
ところで最近子供が興味を持っているのは「天体」で随分遠い世界に興味を持っているんだなあ、
あんまりお金にはなりそうにないなあ、などと考える親はやはり矛盾している、と自分でも思う。
親として、子供の教育って複雑です。