考える。

うつ、と言えば、年下の知り合いにご実家のお母様の話を聞いた。
お母様は4姉妹を立派に育て上げ、家業を手伝い、双方の両親の介護を一手に引き受け、
最後の1人を見送って、お葬式も何もかも終わった後、突然、起き上がれなくなったそうだ。
夫がどんなに怒っても、動けない、逆上した夫に殴るけるまでされたのだけれど何も出来ない、
知り合いはその当時看護士をしていたので「うつかも」と思って、病院に連れて行くように言ったのだけれど
本人も、また父親も「病院にかかるなんて恥ずかしい(注;そこは私もよく知っているものすごい田舎です)」と
なかなか行ってくれなかった。お母様は5年くらい、身動きとれない状態でずっと「死にたい、死にたい」と
末の娘の結婚式にも出席できず、最近になってやっとなんとか普通の状態に戻ったということだ。
私が「育児が終わったら、次は介護なのよね、、」というと、「あんまり1人でがんばらない方がいいんですよ」と
教えてくれて、なんだか、起き上がれなくなるほど消耗し尽くしたお母様の気持ちがわかるような、
私も差はあれ、二人の子供が幼稚園と小学校に上がって、何年かぶりで初めて一人の時間を持ったとき、
頭の中が真っ白になった。ぼーっと、何をするでもない、何かしなくちゃいけないんだけど、下の子がかえってくる時間まで
ただただ、ソファーに座っているだけ、テレビさえ見ない、なんにも考えられない、何もしようとしない、
それまで色々一人になったらやりたいこともあったはずなのに何も思い出せない、大変な時期だったように思う。
まあ、一月で戻ったんですが。だから、私でも、うつになるおそれは常にある、と思っている。(なんか違うかもしれん)
このあいだ、大野先生のエントリで「私の人生はなんだったのかしらね」とあって、きっと、いつか、誰もが言う言葉で
たとえ何かをなしえた人でもそんな言葉が浮かぶんじゃないか、私だって「なんなのかしら」と時々思ったり。
何かやっても何もやってないような、何もやらなかったらもっと何もやってないと、責められるんだろうな。
何かやった、ってことが心の支えになるのか、でも心の病にかかると何かやってても心の支えにならないのかも、と
それでも何かやるんだよな、と色々考えるのでした。
とりあえずは家の中を片付けるか、それから年末年始のあれこれ、「塩豚」の別レシピをまた試してみる予定。
育児も介護も1人でやってはいけない、とだけ覚えておこう。(育児はもう遅いか?)