「ずるい」のはわたしたちだけ?

いつも大変楽しみに読ませて頂いているちきりんさんのエントリで少し気になるものがあったので少々突っ込み。
「泣いている女性とは話をしない」とおっしゃる男性の話ですが、この男性は相当頭がよく狡い人間だなと
感心してしまいました。いや、女性の涙に弱い男性が男らしい、なんて言ってるんじゃないですよ、
一見して大変真っ当なことを言われてる気にさせるこの男性のテクニックがあまりに巧妙で、
ちきりんさんのように聡明な女性でもこの手の男性に騙される(?)のかとちょっと意外だったのです。
つまり、この男性の言ってることは
「ぼくは君を「女」として扱ってきたわけじゃない、「人間」として向き合ってきたつもりだ」
と暗にほのめかし、女性が泣くに至った状況を女性全てにあるかのように摺り替えてしまってるわけです。
もちろんどんな状況で、どういう場面で言われた言葉か私にはわかりませんけど、カップルのトラブルの原因は
常に双方にあるのです、その比重が女に多かろうと男に多かろうと二人に多少の関係がある場合、
「泣いている女性とは話をしない」とはすごく卑怯な逃げ口です、
「君はそんな「女」じゃないだろう?ぼくはそのつもりだったんだけど」ってふふん、こんな男と結婚する女性は
はっきり言って生涯不覚をとったと後悔することでしょう、こんな男は離婚するような女性とは結婚しませんしね、
結婚には大きなメリットを求めるでしょうから。
ちきりんさんの文脈からこれを言った男性はひょっとしたらアングロサクソン系の男性なのかもしれませんが
民族的な思考を飛び越えてもこの台詞は相当狡いですよ、「泣いている人間と話せない」ならともかく
「泣いている女性」ですものね、「泣いている男性とは話すのかしら?」って私は聞きますね、
何故、女性ではいけないのか、女性だからつきあってるのではないか、その根本をまるでなかったことにしたように
この台詞は小狡いです、卑怯です、帰る男の横っ面はたいてその背中にとび蹴りをくらわしますね、私なら。
ちきりんさんのように聡明な女性に限ってこの言葉を正当なものとして受け取りがちなんですよね、
知らずして相手の価値観を全面的に肯定してる、それが押し付けられたものとはまるで意識せずに、
プライドを利用されている事にも気がつかない。
御自分の美点である真面目さや純真さが巧妙に刺激されるせいでしょう、
プライドの高い女性が陥りやすい罠だと私は思います。
あとそれから私のような立場のものが言っていいのかどうかわかりませんが長く男性社会で仕事をしてきた
キャリア女性にありがちな「男性になりたい症候群」のせいではないかと思われます。
男性の尺度、男性のものの見方にあまりにもなれ過ぎて自分の「女性」性を卑下しがちで、
何故その男性尺度がスタンダードであるのか、それは男性に有利な社会の仕組みになってるせいではないのか、
とは思わない、その思考回路は極めて古風な「女性」的であると私は思いますがそれは思いつかない、
或いは「女」であることを認めたくないから知らないフリをする、いつでもとても理性的であろうとするあまり
その理性が自分の尺度ではなく相手の、つまり「借り物」の尺度であることがわからないのではないかと、
私は思うのです。この台詞を言われた後ちきりんさんは一人になってすぐ涙は引っ込んだそうですが
ならば何故、相手がいる時に涙は引っ込まなかったんでしょう、彼がその言葉を言った時、
「チッ」と舌でもならして別のやり方で相手を説得しなかったちきりんさんは「泣く自分」に
かなり酔っていたのかもしれません。知らずに涙で相手を説得しようとした、と言うより
泣く自分を見て欲しかった、のじゃないかと私は思いました。(ごめんね)
その押し付けがましさに相手がへきえきした、と考えられなくもないです、
さっさと引っ込む涙ならそんなもの役にたたん、と考えるべきで、もしすぐ泣きやんで
別の手段で相手をこちら側に引き込むやり方を思い付けていればちきりんさんとその男性との関係は
まるきり違ったものになったかもしれませんね。自己陶酔型の人間か或いは目的完遂型の人間であるか、
と言うのが恋愛関係においても重要だと思うのです。
私はちきりんさんと言う女性をリアルでは知らないですが書いていることを読むのは好きです。
私は専業主婦ですし、考え方も立場もまるきり違うんではないかと思います。でも私がちきりんさんを好きなのは
多分こういう真面目で可愛い女らしい方であると言う点なんだ、と今回初めてわかりました。
「泣いている女性とは話さない」なーんて言うような男の背中に鼻くそつけてやれ!なんて思う女性じゃないので
うらやましいです。女性はずるいですよ、でもその女性を利用する男性ももっとずるいと思うことが
私には時々あります。ずるい男性は魅惑的ですよね、ずるい女性がそうであるように。
でもずるいことはどこまでいってもずるいのだとわかって欲しいとほんの少し思いました。
ずるい男とは別れて正解だと私は思います。(まだつきあってたらごめんなさい)
よそさんのビミョーな話についつっこんでしまいました。若くて真面目な女性ほどおばちゃんとしては
お勧めできない男に引っ掛かってしまうのを何度か見てしまってるので、つい、、
この手の話題では私はお母ちゃん気分で考えてしまうんだよなあ。