歴史への雑感。

歴史へのまなざしについて大変興味深いエントリを幾つか読んだ。ふーん、「断罪」かー、
考えた事がないなあ、歴史って「ある」って事だけが問題にされているのだとばかり思ってたけどそうでもないのか。
そういや、上の娘が今、日露戦争をやってて、
「教科書では日露戦争は勝ったって書いてあるけど、Z会では勝ったように書いてないなあ、結局「勝った」の?」
と聞かれて、「ハテ」と思った。確かに「勝った」と言いながら大した「戦果」を上げられたわけじゃないもんなあ、
また、ロシアも自国が敗戦したなんて考えていなかった、なんて書いてある参考書もあるし、「評価」は難しいわな。
以前、小熊英二の「日本という国」を「自虐史観だー!」って喚いてる奴にあきれたけどじゃあ、
今の中学生の歴史教科書見たら憤死しそうだな、だってうちの子が使ってるのは「帝国書院」のものだけど
(「帝国」ってのが、いい感じじゃない?)ちゃんと資料集には「従軍慰安婦」や「南京大虐殺」ものってるし、
学習指導要領を超えた「発展的内容」の教学研究社、「歴史中学事典」には結構、詳細な南京大虐殺についての
説明もある、まー、問題になってる話だからめったに試験に出る事はないんだろうけど、お子様をお持ちの
自虐史観反対派」は子供にどう教えるのかなあ、試験にでて変な答え書いて間違いですってされたら、
学校に文句言いに行くんだろうなあ、あー、やれやれ。おお、今見たら、Z会でも「南京事件」と書いてあるわ、
自虐史観反対派」の前途は多難だなあ、、
私が歴史に興味を持ったのは数年前三谷幸喜大河ドラマ新選組!」をやった時で、
大阪出身のばあちゃんに育てられ、京都で学生時代を過ごした私としては「新選組」なんて
「チョーサイテー!」な評価しかしてなかったので、本当に最悪集団だったか自分でちゃんと調べてみようと
思い立った時からだ。なんか「新選組」ってミョーにカルトな連中がまるで「宗教」ででもあるかのように
「信奉」してるって感じだし、堅気の人間の踏み込む世界じゃないや、と思ってたけど、ハイ、結論、
「全くその通りでございました」。歴史の世界はこうもおかしな本が虫のようにわいてるって知りませんでしたよ、
それから「新選組」がなんで現代にわたるまでおかしな連中を引き付けているか、よくわかったんで
それはよかったな、「あとずけ」の「イメージ」、「TV」の影響、私は「新選組」のTVなんて
知らなかったからなあ、最近になってみたけど、私はあの土方歳三がなんで人気がでたのかわからんかった、
あんな暑苦しい顔の土方になんやらかんやら言われても「す、て、き、、」ってならない、当時もそうじゃないかな、
あれは男にウケる「だけ」キャラだし。女は、あんなの相手にしませんよ、ただの「うざい」奴じゃん、
あくまでも「TVドラマ」の中の話ですけど。
新選組をあらゆる角度からあの有象無象な本まで時にキレながら読んで「評価」した結果、
ばあちゃんが言うとった事は正しかった、になった。大体上方人は脊髄反射的に「新選組」嫌いですけどね、
気の毒なところもあったけどやっぱり嫌われるだけのことはしたって確信しました。
でも、やっぱりそれも「断罪」になるのかな。
歴史系の「読みやすい」本を読んで思ったのは歴史の本ほど明確に書き手の「差別」心をあらわにできるものはない、
ってことでした。それから司馬遼太郎はろくでなし、と思いましたな、読んで「なんじゃ、この本」なのは、
大抵「司馬遼太郎先生の本にある!」と印篭みたいにかかげてるし。
まー、司馬遼太郎だけが悪いんじゃないだろうけど。
歴史を「断罪」できるほどの人は世の中、それほどいませんが、かといって見過ごしていい、と言えるような人は
もっといません。歴史って「事実」だけが大事なのかとばかり思っていた私が言う事じゃもちろんありませんが。
追記:今たまたま子供の教科書を確かめると「帝国書院」は「地理」で「歴史」は「大阪書籍」でした。
資料集は「明治図書」です。「従軍慰安婦」はたまたまもってた別の教科書のモノでした。
イヤー失敗。