ニュースから。

「なりすましソフト」事件で犯人とされた男の話を見ていると「振り上げた拳の下ろしどころを教えてくれ!」という気になる。
もし、犯人だったとして、こんなに惨めで孤独な人間であるとは、哀れすぎて全くの赤の他人に向けた悪意を忘れそうになる。
と、言うか、悪意すら存在していなかったのかも。何が起こるのか、今ひとつ、理解できていなかったのかもしれない。
テレビでは何故か猫を抱いてうっすら微笑む画像が紹介されていたが、いくら非道な犯人であってもこういうプライベートな部分まで晒すことはなかろうに、
てなことをブツブツ言うと、下の娘にさも軽蔑したかの如く「ママったら、同情してるのね」
「そんなことを言って、何もしていないのにひどい目にあった3人の人のことはどうなるのよ」
いや、おっしゃる通り、でも「かわいそう」と思うのは仕方がないんだよ、おばちゃんだもの。
それはともかく、今回の件で思い出すのが上の娘の受験時、ちょうど試験が終わった翌日に発覚したネットカンニング事件、
あれもネット特有の強烈な悪意による頭脳犯の仕業のように言われていたが、犯人を捕まえてみれば心不安定な怯え切った一人の受験生でしかなかった。
カンニング事件が起こった大学と似たような大学を受けてきたばかりだったのであの真剣な、死に物狂いの受験でそんな馬鹿げた行為が行われるとは、
と、ひどく憤ったものの、それをやった子が自分の子供と同じくらいの年頃の追い詰められた浪人生だったと思うと
やはり振り上げた拳は下ろすところが見つからなかった。
驚くべき事件は意外に悪意が存在しないのかも、悪意という明確な想像力さえないのかもしれないなあ。
ネットでは異様に他人に粘着して攻撃しまくる人間をよく見かけて、私自身も何故かその手の粘着にずっと付きまとわれることもあるが
それをする人間から隠しても、隠しきれない、匂いたつような孤独には、なんともやりきれないものがある。
孤独とうまく付き合えば、それほど孤独でもなくなるんだが。
しかし、今回犯人とされた人間が本当に犯人であって欲しいものよ、、、(涙)