メモ。

「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」の続編「スクールボーイ閣下」を半分読んで、こちらのほうが「ティンカー」より売れたらしいのがよくわかる。
時間が前にしか進まないのだよね、エンターテイメント性は高いけれど、パズル性は低い、「ティンカー」の方が好きだなあ。
ベネディクト君が演じた「ピーター・ギラム」はやはりゲイではなくストレートで華やぎ担当、それはそれでなかなかいい感じなので、
やはり映画を見ないとゲイ設定がなぜかわからなさそう、いくつかその理由は考えられるのだけれど。
ル・カレの作品は何故か女に溺れる人物が一人は現れるような、「スクールボーイ閣下」でも、リッキー・ター的な人物がいるし。
面白いと思うのは英国から見たアジアにおける「日本」。彼らにとって「日本軍」とは、「こちらが楽しくやってるところにいきなりやってきた闖入者」であるようだ。
そうみなされると、「あんたらアジアで何やってたん?」と皮肉のひとつでもいいたくなる、世界の今の揉め事のほとんどはあんたたちが蒔いた種、ってことは忘れるな、
なんちゃって、こういう娯楽小説に出てくる「日本」が、当時のリアルな感覚、感情をよく表している気がして見方が変わる。
それでも直接人と関わる末端では、何故自分たちが他国に来てこのようなことをやっているか、人間の良心としての疑問を抱くのが自然なようだ。
その時、国家の大義は心を守る盾になるのだろうな。
小説の中で描かれた国の姿を見直すのはなかなか楽しい。