おきものがたり。(その5)

成人式の着物を見に行って、個人的に一番よかったのが都内で娘と服を買いに出たとき必ず感じる気まずさがなかったことだな。
何しろ、来ているカップルは全員「母娘」でほぼ同じ年頃、安心できるというか、
都内で買い物をしていると、時々同じ「母娘」カップルなんだけど、その「娘」が私と同世代くらいだったりして、
そのトウのたった「お嬢さま」がウチの娘と同じ服を手にしているといたたまれない気にさせられる。
娘は自分で選んだ服が自分の母親と同世代の女性が見ているとブンむくれするし、(私のセンスは「おばちゃん」なのー?!ッてな感じらしい)
私自身も「気持ちはわかるけど、そのデザインと色は中年には、、」とそっと涙をぬぐいたくなる。
イマドキ女子大生の「おされガール」(この言い方が昭和だわぁ、、、)は「CanCam」をお手本とする。
当然「CanCam」に広告を載せているようなブランドは高いので、女子大生は親がかりでたまに買ってもらうこととなっている。
その手のブランドショップには、若くていかにも「OL」さんな女の子カップルとか、私らと同じような年頃の母娘カップル、
そこに同じ母娘カップルであっても「昭和のころ女子大生だった私は今でもCanCamを愛読中です」的な人が現れたときに感じる、この後ろめたさ、
自分でもなんなんだ?と思うわ。ひょっとしたら、私もあんな感じになっていたかも、、、の恐怖感なんだろう。
ま、娘と同じ服を選んでいた中年娘もむっとした顔をして、でも服は手放さず、さっさと試着室に消えるんだけどね。
そこら辺がさすが「おばはん」、気に入って、実際相手よりずっと似合っているのに、その服を買えない、負けてしまった若い娘は辛いね。
「成人式の振り袖」会場に、「中年」娘が現れる心配のないこの安堵感、、、あら、着物の話になってないやんけ、
「私に全てをおまかせしなさい」のやり手ばあちゃんの手玉にとられた話を書きたくないのかー!
いや、「プロ」におまかせして非常によかったのはなしなんだけどね。まだまだ続く。