ひとつの事件から。

不動産屋に勤める母親を殺害し、止めに入った人も巻き添えになるという痛ましい事件がおきた。
70前の親にその勤め先の80前の上司を、何でまた、と思わずにはいられない。
しかも加害者である息子は36歳、いわゆる「アラフォー」だ。
いやはや、こんな事件でも、ネットでは「親が悪い!」になっちゃうんだろうかね?
「親の長年にわたる抑圧が、、」って、フツーの人間なら30過ぎれば「年寄りに手をかけてもしかたがない」の「常識」が育っていくだろうに。
それがなかったってことは、親の育て方云々よりは、本人の、気の毒だけれど、持って生まれた精神の欠陥のせいだろうに。
精神的異常児を産んでしまうのは、別にその親のせいじゃないと思うのだよね、
育てていく過程で、そういう子どもの扱いをまちがえてしまうのも、ある程度しかたがないことだとわたしは思う。
それでもネットでは親を全否定することで、何かが出来たように思いこんでいる、
二人の子どもを育てていくうち、さまざまな親に出会ってきたけれど、そんなにむちゃくちゃに悪い親って、いないよ。
自分と子育ての方針が違う程度のことで「この人は「トンデモ親!」といわゆる「レッテル貼り」をする人は多いけど、
実際にそのレッテル通りだった人なんてまったくいない。
見ている側は自分の色眼鏡に気がつかないんだね、どれほどの歪みを相手に押しつけているか、
それを「正義」と考え違いしている人たちを、とくにネットで、どれほど多く、私は見てきたことか。
ネットで話題を集めている「頭がいい人」云々のエントリを読んで、そのほかのエントリもいくつか読んでみたのだけれど、
仮面夫婦」「仮面家族」って、いったい、何?と思った。
本当にそれが「仮面」であると、誰が決めるのかな?
私はネットで「いい母親を演じているだけだ!」と決め付けられたことが何度もある。
「演じている」なあ、、、いいんじゃないの?演じ続けられるのなら、というのが私の本音だ。
つか、20年近くにわたって、演じ続けることがもし出来るとしたら、もうそれは「仮面」ではないんじゃないのかな。
「努力」とも言うのよね、、、
あのさ、なんでそこまで他人を「悪く」見ていられるのかな?自分は正しく、相手はマチガイ、ッてことはそれほどあるもんじゃないんだよね、
とくに子育ての場面では、本当にケースバイケースだし、これははっきり書いておくが、自分の子供を自分で産んで育ててみなければわからない。
なんで、自分で子供を産んでも、育ててもいない人間が、ここまで他人の家庭に「レッテル貼り」が出来るのかな?
なんで、ひとたび親になっただけで、生き方の違う人間に人格すべてを全否定するレッテルを貼られなければいけないのかな?
それを「受け入れろ!」という考え方が私には理解できない。
仮面夫婦」「仮面家庭」なんて、思いこみと受け売りに過ぎないだろうに。
その「家庭」に入っていったことが一度でもあるかな?たぶん「私の育った家庭がそうだった!」が答えだろうね。
でも、子どもの視線でしかものが見えてないことに気がついたことがあるかな?
それは決して真実が見える目ではないのだよね、ただ感情的であると言うだけ、そして、他人を追いつめる。
引きこもりの子どもとか、ひとつの家庭だけで抱えるのは無理がある事情を、
「親が悪い説」を信じて、ただただ、自分を責めながら子どもにつくしている主に母親を、私は見たことがある。
たとえ、本当にかつて「仮面夫婦」で「理想の家庭に見られることだけをめざしていたせい」だったとしても、
私はそんな人を責めることは出来ない。
私だって、ひょっとしたらそうなってしまったかもしれない、と思うのだもの。
私の家庭にトラブルがないのは、幸いにして、自分の子どもたちが精神的欠陥を抱えていなかったと言うだけなのがわかっているからね。
もういい加減、親だけ責めたらすべて解決、ッてのは終わりにしないか?
高齢の親に手をかける事件を見かけるたび、そう思う。
子どもを産むってそんなに悪いこと?と私は尋ねたい。