女性弁護士ミステリーは世界的ブームなのか?と思ったが、
単に法律系ミステリを翻訳するのが得意なんだろう酒寄進一氏紹介の
アンドレアス・グルーバー。2冊読んだが、2冊目の途中でうらぶれてしまったわ、
あまりにもショーもないので。2冊とも最初から犯人がマルバレ。
「海外ミステリーは翻訳家で選べ!」は本当のところだろうが、
フォン・シーラッハ以外、酒寄氏はミステリを選ぶセンスが今一つ。
フォン・シーラッハも短編は光るが中編になると微妙。
今回読んだのは「夏を殺す少女」と続編の「刺青の殺人者」
どちらもドイツとオーストリア、近隣諸国を巻き込む「グローバル」なお話で
主人公はライプツィッヒの警察官とウィーンの女性弁護士、
最初の「夏を殺す少女」で途中経過をマイダーリンに話すと「ラノベ?」と言われ
続編の「刺青の殺人者」に至っては、最初から犯人、こいつだろ感満載の親切設計。
主人公の女性弁護士のあまりの間抜けっぷりにあきれ果て投げ出したくなった。
多作家でいくつものシリーズを持ち書き飛ばしているんだろう、
「刺青の殺人者」は構成が「ミレニアム」の場面展開の速さをまねているようで
「ミレニアム」の場合は読みやすさとともに引き込む効果もあったものの、
グルーバーの場合は、単にごまかしを長めにとっている感じがあった。
星は一つも上げられないなあ。
なんとなくだが、女性翻訳家が選んだミステリーの方が出来が良い気がする。
酒寄進一氏はミステリ以外の翻訳もたくさんあるので本業ではないのかもしれないな。
ドイツ語の翻訳はこの方しかいないのか、と言うほどアマゾンを引くとたくさんある。
グルーバーはオーストリアで、創元社が激押ししているドイツのノイハウスも酒寄氏。
読もうかどうか、迷っている。
やはり「ゴールド・シルバーダガー」賞をとるものはレベルが高いんだな、と、
おばはんミステリ紀行は再び北上して今度は久山葉子氏翻訳
レイフ・GW・ぺーションの「許されざる者」を読んでいる。
これはCWA賞・ガラスの鍵賞をとっているそうで、ブランドに走ってみた。
読書家の上の娘に「ママは、現在日本で最も北欧ミステリを読んでるかも」
と豪語すると「翻訳がそれだけあるのは読む人がたくさんいる証拠だよ」と笑われた。
まあ、そうだな。寒い国のミステリほど面白い説を私は唱えているが
やはりドイツでは南下しすぎなんですかね。おわり。