雑談。

二人の子供たちを大学から外に出して思ったことなど。

東西で下宿事情もだいぶん違って、都心部の大学に地方から通わせるご家庭は

経済的に恵まれているので子供を一人暮らしさせるにしても

元から持っているマンションや一軒家に住まわせたりして。

受験前からマンションを買ってしまう人も少なからずいる。

そういう層の最底辺である我が家では下宿探しに四苦八苦した。

上の娘は性格的にきっちりしていたので下宿代を支払いそびれることはなかったが

下の娘は工学部で体育会系部活、忙しさのあまり時々下宿代振り込みを忘れるので

私は定期的に電話して、それでもダメなときは親元から振り込んで

最終的には娘にさせるのをあきらめた。

普通、賃貸契約は家賃滞納に3か月猶予があるが、

下の娘の下宿は人気物件で契約書に「猶予は1か月」と明記され遅れたら即退去で

保証人の保護者に管理会社から連絡がくる。

そのたびに私が数か月分を振り込んでいた。「お目こぼしを!」って感じ。

二人に仕送りは月ぎめにしていたが、知り合いに、

必要になるお金は時期によってまちまちなのでまとまった額の口座を渡して

少なくなったら足す方式を勧められ下の娘の時にはそうした。

これは急な出費があった時に便利だった。

我が家ではなかったが、バイト総額が控除を超える話は下の娘から時々聞いて

途中で気がつくと「こうなったからは制限なしに働く!」と頑張る子も。

社会人1年目より学生時代の方が年収が多かったなんてことも。

バイトで稼ぐ派はかけ持ちが多くサークルや部活はしていなかった。

大学によるのか、それとも娘たちの周囲だけか、

上の娘の、都心部で生まれ育った同期たちは

下の娘の同期ほど、がつがつ働くわけではなく社会人となってもおっとり。

すぐ転職したり、留学したり。

西側の人間の方が働き者が多い気がするのは気のせいか。

娘たちの学生時代に一番困ったのが、親元を離れて価値観が揺らぎ、

大学独自の奇妙な「文化」のようなものにからめとられがちになることで、

上の娘はせっかく法学部に入れたのに、一時期文学部に転学したがって

下の娘は大学部活の独自文化、

「部活のために留年するのが至高!」なんて毒にあてられて、

どちらも父親の一喝で目を覚ました。

大学に行かせるにあたって、最初から家庭の経済事情をはっきりと分からせておくのは

必要だったのかも。我が家は経済的に困ることはないものの、

大都市のけた外れの富裕層ではないので「働く」は必須。

古い大きな大学の独特の文化、ある意味「闇」にふれてしまうと抜け出るのが難しい。

家庭の経済的状況をはっきりさせておくと明確な指針となるかも。

今にして思えばどちらも現役合格、留年のどぶ板を踏みぬくこともなく

ちゃんと就職して今に至るのでありがたい限り。

二人とも優秀な子供たちではあるけれど、学生時代はあれこれ迷いもあったので

親が完全に手を離すのは社会人になるまでは待って良いと思うのであった。

まあ、ちょこちこのやらかしは想定内。

振り込み忘れなど諸々自分がお金を出すようになるとできるのおはなし。おわり。