ドラマ雑記・北氷洋(THE NORTH WATER)

ミステリーチャンネルで一挙放送、2021年・BBC1制作 

2016年ブッカー賞候補作、イアン・マグワイア原作。

ミステリーというよりはクライムノヴェルか、後味が良いとは言えない作品。

最近のドラマの傾向なのか、すべてが驚くほどさくさくと進み、

全6話であるもののミステリーとしては3話目ですべてが完結する状態で

「これから後の3話はどうなるんだー!」と思っていると、冒険譚となる。

コリン・ファレルのビッグネームに惹かれて見て、

マイダーリンともどもその映像のスケールに圧倒されてはいたものの、

途中「「レヴェナント」、入ってる?」になったりして、

殺したての熊の中に入って暖をとる、は何らかのお約束事なんですかね?

主演はコリン・ファレルではなくジャック・オコンネルという売り出し中の若手俳優

ロケをしたらしい寒い寒い海でご苦労様、若くないとできないよな、なんてな

映像はまことに素晴らしく、マイダーリンが隣でひたすら「お金かかってんなあ」と

しかし、私には謎が多く残って、首をかしげてしまった。

殺された少年の性感染症は誰からのものだったのか?がドラマでは最後まで出ず、

これはミステリーなのか、アイルランド出身の若者の成長譚なのか、

作者へのインタビュー記事を読むと

コナン・ドイルがかつて船医をしていたことに着想を得た」とのことで、

主人公ののパトリック・サムナー君は元はアイルランドの貧しい家庭出身で

両親をチフスで失って親切な医師に引き取られ軍医となりインドに行くが

そこでトラブルに巻き込まれて心の傷を負い行きついた先が

ろくでもない捕鯨船の船医だったけれど、まあ、苦難、苦難の嵐。

インドでどのようにひどい目に合ったかは、ちらちらと出てきて、

最初は両親を失ったかつての自分と同じようなかわいそうなインド人幼児を

保護しようと努めて果たせず、その後のもろもろはどういう成り行きだったか、

ドラマ上の情報をもとに想像力を働かせるしかない。

映像にはうまくまとめられているが原作を読んだ方が面白そうだ。

原作はたぶん、サラ・ウォーターズようなヴィクトリア朝期のお約束事が

かなり上手にちりばめられているのではないかと思う。

1回1時間6話の小品で、お気楽に見られるとは言えないが、

「あーこんな寒いところで苦労せずに家でぬくぬくできて幸せ!」を感じるには

良い作品だと思った。お勧め度は星4つかな。

肉体改造して頑張っちゃってるコリン・ファレルが見たければ星は5つかも。

おわり。

追記・書き忘れていたが主人公の軍医時代の上司役が

「シャーロック」でろくでもない鑑識官役をしていた俳優さんで

この方はこの手のいやな小物悪役をさせたら右に出るものはいないんじゃないか、

「ゲット・デュークト!」でも良い味を出していた。

名前はジョナサン・アリス。次世代のマーク・ライランスかも。

私は大好き。