小林カツ代さんがかつて「おいしいとはリピートにあり」とお嬢さんに言われたと
たしかに、何度も作って食べたくなるレシピこそ本当においしい。
そんなレシピを生涯いくつ集められるか、いくつ遺しておけるか、
ここ20年ほど集めに集めたレシピの切り抜きを大幅に整理して考えている。
現在、何度も作っているレシピをファイルして、
我が家の口に合うものはNHKの「今日の料理」にのっていたものが一番多い。
一時期「きょうの料理」「栄養と料理」「うかたま」「天然生活」「エルグルメ」
「おかずのクッキング」をかわるがわる買い、
朝日新聞に週何回か載る料理レシピを集めて
「いつか作ろう!」と、作ったものもあれば、とうとう作らず仕舞いで処分したり、
特に新聞に載るものは、すぐ作らないとだめなのだよな、季節ものだから。
なんで作らなかったかな、専業主婦のくせに、とブツブツ思ったが、
そういやこのころ、アル中の父ちゃんが一番騒いでいた時期だったわ、
それにプラス受験生と、切り抜きの日付を見て思ったり。
そんなほろ苦い思い出とともに相当数処分して、結局残ったのは
手順が明確に示されているものと手に入りやすい食材を使っているもの。
レシピの手順がきちんと記されているものは意外に少なく、
恐らく編集者が料理をする人かどうかにかかっている。
朝日新聞などはかなり当たりはずれのある説明であったりして、
また、料理の写真だけは素晴らしいものの、いざ作るとなるとまるで役に立たないのが
「エルグルメ」、どのレシピもまともに作れるものではない。
そもそも食材も田舎ではほぼ手に入らない、「見るだけ」の料理雑誌で、
「天然生活」と「うかたま」もその傾向はあるが、まだちゃんとしている。
土井善晴氏の「おかずのクッキング」であることを残すのであった。
ネットのレシピ集は確かに便利だが、私はやはり紙で自分の決定版を持っておく方が
料理を何度も作るのには適していると思う。
良い料理本は紙媒体で残ることを望む。おわり。