アメリカ大統領就任式雑記。

昨夜、ABCのライブ放送を見て特に大きな事件が起こる要素がなかったので挫折。

アメリカ人なら「あ、この人がいる!」がクローズアップされているんだろうが

わたしにわかるのは歴代大統領ばかりで、残念。

頭の軽いおばはんであるアテクシは歴代大統領たちが着ているコートの美しさに感動。

バイデン氏にしろペンス氏にしろコートのラインがきちんと肩にあって

またそのウール生地の質の良さに目を奪われる。

女性服の色の華やかさに頼るデザインの多様さなどは足下に及ばない。

私はこういう男性服の規制のある中で最上質を目指したシンプルな美しさが

大好きだ。なかなか見る機会があるものではない。

バイデンご一家が整然と並んで入場してきた折も、

シンプルなデザインの服装で揃えて、説明によると

「American iconic designer Ralph Lauren」だそうで、

やはりラルフ・ローレンは美しいなあ、と感心。

シンプル、かつ、機能的デザインがもともと端麗な容姿のご一族を引き立てる。

しかし、ラルフ・ローレンと言えば知る人ぞ知るユダヤ系の事業成功者で

レディー・ガガにしろ、ここらあたりがトランプ支持派を刺激するところなんだろう

と、いわゆるオルタナ右翼はネットでどのように吹き上がっているのか、

私は生涯見ることはないだろうから、町山さんあたりに解説してほしいなあ。

聞き取り損ねたが、少なくともバルコニーにいた男性たちは

全員防弾チョッキをコートの下に着せられているそうで

それも計算してのコートのデザインは見事だった。

先日の議事堂で、暴徒とたった一人で対峙した黒人警察官が大統領の近くに招かれて

しかし、彼が着ていたベージュのコートはラインが崩れて

歴代大統領の美しいコート姿の中であれを着て立つ彼は一見気の毒だったが、

それでも堂々としているのが素晴らしかった。

服に頼らずにいる彼がひょっとして一番素敵だったのかも。

彼のくたびれた安い服の中でも輝く何かはアメリカの良心なのかも。

ブッシュ元大統領が「彼はいつものように上機嫌です」と説明されたのが

個人的にツボだった。映画「バイス」の中の大統領そのものに見えた。

面白かったっす。おわり。