ツィッターで「キラキラ職業」を自称する推定年齢30前後アカウントが
やたらと「部下がぁ」と書くのだが、
現実世界で大企業に勤める人間が
「部下」の言葉を使うのを聞いたことが無いので大変不思議に思っている。
私の周囲だけかもしれないが、
40前後の直属で動かせる人間が100人以上いる人でも
「同僚が」と話す。あるいは「社のものを」だったりして、
マイダーリンも指導者の立場で明らかな年齢差があっても
「部下」の言葉は使わず「同僚」と言う。
娘にいたっては「後輩」としか言わない、実質は娘が管理者だけれど。
「部下がぁ」と言うのを私はネット以外で見かけたことが無い。
もっと言えば「上司が」もあまり聞かない。
「うちの○○の決済を云々」と、上司でも社員以外には名前で呼んでいたりして、
「上」「下」を表す言葉は一定以上の社会では「タブー」になっている気がする。
社会的にはもう「上・下」の縦社会ではない、が建前としてあるのではないか、
ツィッター界ではまだ20代半ばでも「部下が」と書くアカウントは
何故か「就活指導」をしたがっていたりして、ここも実に謎。
私の知らないどこかの素敵世界ではご本人がまだ20代半ばでも
入社年度が1~2年下だけの人間を「後輩」とは呼ばず
「部下」と呼ぶのが正しいのか、
さほど仕事が出来そうにも思えない呟きをしているにもかかわらず、
やたら「就活のお手伝いします!」と言いたがる人間の
「部下」とはどういう存在なのか、
「20代半ばで既に「部下」を持つような優秀な俺、あたし」を表現するためだけに
存在する言葉なのか、なんとなくこの世に「部下」とは実在しないものに思える。
脳内の妄想にだけ、存在する言葉なんですかね。
先日は素敵キラキラアカウントが「夫の元部下が」とつぶやくのを読んで、
結婚したばかりの夫に「元部下」が存在する、
そしてその「元部下」は新婚の「奥様」に会いたいという、
まだ25歳の「キラキラ女子」であるとわざわざ書く、
このキラキラ間接的反射光ををしげしげと眺めているのでした。
「キラキラした素敵元部下がいる夫を持つ私」は
そう言う環境に自分はうんざりしているとにおわせる、
そのきらきらの屈折率の高さになんとなく私は遮光眼鏡が欲しくなる。
年寄りにはこの手のキラキラがきついわぁ。
「部下」と言うのはある種の人間には大変なパワーワードのようだが、
現実世界ではどうなんだろう。
なんとなく私は現実世界で「部下」の言葉を聞く機会は生涯、ない気がする。
おわり。