「オトコの選び方、教えます」

たとえば長い間、世話になった女と手を切る時に、その女のあることないこと悪い噂をばらまいて、
あげくに「捨てられて当然だ」なんてする男は、人間のくずだろう。
用済みの女を捨てるにしたって「今までありがとう」と、最低限の「礼儀」は必要。
私は「専業主婦バッシング」とはそういうものだったと見ている。
「働かないで家でごろごろしている」「変な生命力のない人たち」など、
多くの専業主婦がそんな存在じゃないのに、平気でそういう発言をさせた小泉内閣を、だから私は支持しなかった。
私は、女の始末の仕方で男を見る。間違いなく、小泉内閣は最低の内閣だった。
いい加減な妄想をぶちあげて人をあおる、小泉チルドレンなんかがいい例だろう。
中でも「タイゾー」議員の醜悪さときたら、子供のことでさんざんもっともらしいことを書いたくせに
自分の赤ん坊の世話もまともに出来なかった、
自分たち夫婦が食事をするのに、まだ乳児である子供を放置した。
この見事なまでの馬鹿親っぷり、食事に行くな、とは言わない、
しかしせめてベビーシッターをつけて出かけるくらいの「常識」は示せなかったのか?
こういう人間を祭り上げた人間もいることを私は決して忘れない。
小泉政権は様々な混乱を引き起こして、1年、体の持たなかった安倍晋三に政権を譲り、
去年のボージョレヌーボーの頃には教育基本法を変えてしまった。
自民党支持は専業主婦が多い、とのご意見を読んだが、その専業主婦とは本当に専業主婦なのか、私は疑問に思う。
むしろ自営業者のおばちゃん達じゃないか、やってることは専業主婦、
でも肩書きはそれなりに「理事」だったり「役員」だったりする。
自民党」がまだ一種のブランド力を持つのは確かなことで、「自民党支持」を唱えることで
自分を「それなり」と信じられる層、というのが存在する。
正直に言えば、自民党以外の政党が日本に存在するように私には思えない。
簡単に大連立の意見が成り立ちそうになる民主党自民党とどう違うのか、私にはわからない。
「同じ馬鹿ならいっそよく知った馬鹿の方がマシ」と仕方なく自民党支持する気持ちはわかる。
保守の強い地方がどれほど小泉政治に泣かされたことか、
選挙に勝てない議員は死んだも同然、小泉支持が出来ない自民党員は自民党にあらず、
かといって、地元のつながりを捨てきれず組織は壊滅状態に陥った。
これがいいことなのか悪いことなのか、私にはよくわからない。
私は小泉政治とは地方を切り捨てる政治だったと見なしている。
専業主婦制度への不当なバッシングもその一部、噂だけをまき散らし、その「優遇」とする制度を取り上げる。
地方経済は専業主婦制度が支えているところが大きい。
使い捨てにされる人材であることをあえて受け入れる女達があって成り立っているのだ。
地方ではまだ「家」というものが機能している。3世代、4世代同居なんて珍しくもない。
その多くの専業主婦世帯がたとえ夫の年収が500万以下で子供がいてもなんとかやっていけるのは
「地元」に住んで、「家」があることが大きい。
産休、育休が整っていない就職先がほとんどの地方では、結婚して子供が出来れば仕事は当たり前のように辞めさせられる。
職場の圧力も、もちろん大きいが「贅沢しなければやっていける」とのまだまだ保守的な地方の「親」世代の考え方も大きい。
「子供が3才までは家にいた方がいい」との3歳児神話も拍車をかける。
これから始める育児に対してたいていの母親は不安だから「3才までは家で」が「正しい」とされればそれに従う。
またそれをその親も歓迎し、育児を手伝いつつ、介護も手伝ってもらう、少々の経済的なサポートも若い世代にする。
子供がある程度育てば、低賃金にせよ、時間の自由のきく「パート」で復帰して、
なんとかやっていけるのがほとんどの地方の専業主婦世帯の実情だ。
しかし「家」が機能しない人たちも増えてきている。そのサポートをまず行ってから、「専業主婦制度」を変えるべきだろう。
「家」のかわりになるものがまだ全く存在しない状態で今、その「制度」を改訂して、何が起こるか、
地方経済への大打撃だと私は見ている。「地方経済崩壊」が現実になる。
小泉政権がやったこと、不当な「専業主婦バッシング」一つをとってもその無茶苦茶ぶりがわかる。
少なくともかつては奨励され、役に立ってきたはずの「専業主婦」をまるでクズであるかのような、
実態のない思いこみだけで「働かない人間」であるとの汚名を着せたのは、よりよい社会の作り手のすることではない。
単なる「卑怯者」だ。別れるときは、せめて「お世話になりました」と、頭を下げてもいいだろうに。
どんなときでも「女が悪い」にしておけば、頭の悪い男は必ず結託する、
システム批判に名を借りた「専業主婦バッシング」に安易に走った男とはそういう連中、
私はそんなものにだまされなかった限られた男達だけを評価する、ネット上にたくさんは存在しなかったが。
捨てられるときのために、オトコはきちんと選びましょう、せめて、悪い噂を流されないように。