おきものがたり。(その6)

昼休憩のラーメンをすすりつつ、娘が言うには「私は背が低いからお洋服も気に入ったのが着られないことがあって、でもきっと着物が似合うとずっと思ってきたのに、
やっぱり着物も背が高い方が似合うなんて、、」と、似合ってないわけではないんだけどねえ。
若い娘さんはちょっとつまずくと、すぐしおしおと全てに興味をなくす、それが「若さ」というものなのよ、
へたれた若者をなだめすかしつつ「目標達成」に向かわせるのは「大人」としての責務(?)、結構大変ざんすよ、、、(涙)
これはちょっと脱線するが「子どもが自主性を持って!」とか「目標達成に向かって自主的に!!」とかってあくまで「理想論」だから。
そういう生まれながらに「やる気」のあるこどもは確かに存在するけど、一クラスに一人でもいればいいほうなんじゃないかしらね、
たいていの子どもは普通に迷い、とまどい、傷つくことを恐れる、目標達成にいたるまでに挫折するのは特に「デキが悪い」わけではないはずなんだが、
世間って、そういうごく普通の感覚をあんまり理解できていないのよね、自分が若かったときにどうだったかなんてすぐ忘れる。
そして「そういう子どもは親の育て方がダメだ」と決め付けたがったりして、
しかもそんなヤツに限って、「今のような時代に子供を産み出すなんて、無責任!」なんて言いたがる。
おまえみたいな人間がすでにうまれて生活できてるんだから、今は十分すぎるほど「いい時代」だよっ!って、
私はどうしてこうも話が飛ぶんでしょうなあ、、とほほ。
さて、ラーメンくさい途方に暮れた母娘を展示会場で出迎えたのは「全てを私にゆだねなさい」な、
これまた私以上に人生になんの迷いもない、女としても、人間としても、着物の目利きとしても、遙かに私より「上」なばあちゃん販売員だったのでした。(つづく・次でオシマイ)